日本人は美術が大好きだ。広義のミュージアムには年間延べ3億人近くが訪れ、美術展には根気よく何時間も並ぶ。しかし、美の世界の裏側ではカネが行き来し、さまざまなプレーヤーがうごめいている。おカネの流れから作家の生活、歴史から鑑賞術まで網羅した。
今と昔が交錯する不思議な世界に、さまざまな事象や風俗を描き込む画風で知られる山口晃氏。現在の美術界に、ユーモアを交えながら穏やかに、そして鋭く切り込む。
公園の中にある美の殿堂──。まるで金太郎あめのように同じような姿をした全国の公立美術館。その威容とは裏腹に、地元での存在感は薄い。なぜ、そうなってしまったのだろうか。
美術展を見るために何時間も並ぶ……。そんな経験の背景には日本の美術館の存在意義が曖昧なことがある。維持のためには何でもありの鵺のような存在にならざるを得ないのだ。
ぼんやり眺めていてはもったいない かつて美術の教科書で見た 名画で学ぶ世界史の転換点
パート冒頭でも紹介したように、美術館をめぐる仕事は学芸員や監視員だけにとどまらない。ここでは、鑑賞に適した明るさを考える“光の魔術師”、照明デザイナーの技に接してみよう。
アートなお仕事、の代表格といえば学芸員だが、彼らの仕事については、意外にもベールに包まれている。学芸員になるには、そしてどんな仕事をしているのか。その実態に迫った。
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