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剛腕作家・伊東潤の新境地、本格社会派ミステリー『横浜1963』がcakesにて連載スタート! 戦後とは何だったのか。その答えは1963年の日本と米国が混在する街、横浜にあった。横浜で起こった殺人事件を通して、日米関係の暗部に焦点を当てつつ、懸命に犯人を追い詰める二人の捜査官の姿を描いたノスタルジック・ミステリー。
ソニーは、キャンベルを現行犯で取り押さえようとするも自ら命を絶ってしまった。 事件は終わりを迎えていた。
ついにソニーはキャンベルの犯行現場を目撃し、阻止しようとする。時を同じくして、ショーンも、罪の意識から命を絶とうとしているエイキンスを説得していた。2人は、かつての勇気ある軍人たちを救おうとしていた。
ソニーがキャンベルを追うのと同じ頃、ショーンはエイキンスを問い詰めていた。 一体誰が悪いのか。事件の真相に迫る、怒涛のラストスパート。
深夜の横浜でキャンベルを尾行するソニー。 キャンベルを現行犯逮捕するタイミングをうかがっていた。
和夫が事件の日に見たのは、エイキンスでなくキャンベルであった。 犯行を未然に防ぎ、キャンベルを現行犯で捕まえるため、ソニーは、キャンベルの乗ったテンペストを尾行する。
ショーンはまだサイゴン行きの船中にいた。 事件の経緯を思い出していたのだが、何か見落としがあるように感じてならないショーンであった。
エイキンスを捕まえるまではいかなかったものの、日本国外への赴任になったことで、 捜査は終わりを迎えた。 そして、次の仕事に取り掛かろうとするソニーであった。
ショーンとソニーは、事件当日に白いポンティアック・テンペストに乗った男女を見たという青年、岩瀬和夫と出会う。 和夫は、2人が提示した写真にうつる人物で間違い無いという。
事件の現場である港の見える丘公園の近くを訪れたソニーとショーン。 犯人が噛んだと思われるシナモン味のガムを証拠品として見つけることができたが、 その帰りに突然暴漢に襲われたのであった。
横浜で再び殺人事件があった。これまでの事件と同じ手口で若い女性が殺害されたのだった。 ショーンは正義感にかられ、ソニーとともに事件の真相を追うことを約束した。
横須賀に帰ったショーンは、自分の上長であり、エイキンスの戦友でもある、アンソニー・キャンベルと酒を酌み交わす。そこでショーンは、事件のことやエイキンスに疑いがあることについてうっかり話してしまった。
日系3世のショーン坂口は、横須賀で妻と子供と暮らしていた。 その日出会った、自分とまるで真逆の境遇にあるハーフの日本人警官の存在が気になっていた。
米海軍横須賀基地の犯罪捜査部に事件の捜査協力を仰ぐソニー。 そこで日系アメリカ人・ショーン坂口と出会う。 ソニーとショーン、2人の運命的な出会いとともに第2章の幕が上がる。
ソニーはロドニー・エイキンスと会う。 しかし、何の証拠も得ることができなかったため、捜査打ち切りを命じられる。 横須賀基地の海軍犯罪捜査部に事件を引き継ぐため、横須賀へ向かう。
ついに、レストラン「バージル・ケイン」で事件の手がかりをつかんだソニー。 赤沢美香子と中年の将校がよくこの店に来ていたという情報を手に入れる。 ソニーの気持ちは高ぶっていた。
浜中食品の取引先で美香子が関わっていそうな企業を探すソニー。その中に外国人が経営していそうなレストラン3軒を見つけた。その時、刑事部長の川本正勝警視正に呼ばれる。
赤沢美香子の勤め先「浜中食品株式会社」で聞き込み調査を行ったソニー。 しかし、有力な手がかりを得ることはできなかった。 そして、美香子の住んでいた長者町のアパートに向かう。
伊東潤公式サイト Twitter : @jun_ito_info 1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。『国を蹴った男』(講談社)で「第34回吉川英治文学新人賞」を、『巨鯨の海』(光文社)で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を、『峠越え』(講談社)で「第回中山義秀文学賞」を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で「第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を、『黒南風の海――加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で「本屋が選ぶ時代小説大賞2011」を受賞。2016年6月、『天下人の茶』(文藝春秋)で第155回直木賞候補としてノミネートされる。