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「ねぇ、自殺って遺伝するの?」アニメ会社で働く柏原義人は、父親を自殺で亡くした少年・祐介にそう聞かれ、言葉につまる。それは、義人も同じように父を自殺で亡くしていたからであった…
誰もが持っているコドク。そのコドクはどこかで、誰かとつながっているかもしれない。
ファイナルファンタジー1~3のシナリオを手がけた寺田憲史が描く「コドク共有」の連載がスタート。
ダビングは朝までかかった。ボロアパートのベッドで爆睡していた義人は、ノックの音で叩き起こされる。はたして、美島こずえが立っていた。長い睫毛。その奥の瞳に、すこしサドっぽい光が浮かんで見える。
アニメのイベント会場で偶然にも再会したこずえと義人。お互いが同じ業界にいることや初めて会った日のことを話す内に、2人は次第に意気投合していく......
「コドク共有」第2章こずえ編がスタート。劇団員ながら声優の仕事もこなすこずえは、自身が所属する劇団が行う次回公演のフライヤーを入稿するために、演出家の鮫島からの連絡を待っていた......
寺田憲史(てらだけんじ) 東京生。76年、早稲田大学卒。アニメシナリオ『きまぐれオレンジ☆ロード』『キン肉マン』、ゲーム原案・シナリオ『ファイナルファンタジー(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲまで)』、ゲームシナリオ・監督『BATMAN/ Dark Tomorrow』、著書に小説『新きまぐれオレンジロード(全三巻)』、小説『ファイナルファンタジーⅡ<夢魔の迷宮>』、エッセー『ルーカスを超える/アニメ・ゲームビジネス創作術』、さらに日英米合作アニメ『FIRESTORM』シナリオ・監督など、内外の多角的なメディアで活動。現在はオンラインゲームの原作、および書き下しシナリオによる韓国映画の企画が進行中。 本作は、自身のこれまでの仕事体験をもとにした初の文芸作品となる。 寺田憲史オフィシャルサイトはこちら