日本建築論

明治以降、とりわけ20世紀の日本建築論の底流には、「日本という国への意識」というものが逃れようもなく響いています。そうした中から、実際に形をとって立ち上がってくるのが、日本の近代建築であり、それによって覆い尽くされているのが日本の都市です。よって、日本の建築を見るときには、「日本とは何か」「日本的なるものとは何か」という問いに、対峙せざるをえません。
本連載では、伊勢神宮(宗教)、国会議事堂(政治)、桂離宮vs日光東照宮(天皇制・体制転換)など、シンボリックで具体的な有名建築をとりあげ、それらを巡って繰り返し重ねられてきた議論を一つずつ追っていきます。それを背景に、20世紀日本のナショナリズムとモダニズムの相克を読みとく連載です。

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著者プロフィール

五十嵐太郎

五十嵐太郎いがらし たろう

建築史・建築批評家。1967年パリ生まれ。1990年、東京大学工学部建築学科卒業。1992年、東京大学大学院修士課程修了。博士(工学)。専攻、建築史、都市論。中部大学工学部建築学科助教授を経て、現在、東北大学准教授。『新宗教と巨大建築』 (講談社現代新書→ちくま学芸文庫)『現代建築に関する16章 ――〈空間、時間、そして世界〉』(講談社現代新書)、『読んで旅する世界の名建築』 (光文社新書)、『過防備都市』『美しい都市・醜い都市――現代景観論』(中公新書ラクレ)などがある。