山内宏泰
3つの世界が融合する時——「コレクターとアーティスト」vol.1
りんかい線の天王洲アイル駅にほど近く、T-art Galleryで新進アーティストたちによるグループ展が開催されています。アートコレクターが若手アーティストをひとり推薦し、それぞれが展示をするという試み。鳥越貴樹さんが推薦する、川内理香子さんの作品、塩入敏治さん推薦の、原良介さんによる展示、笹川直子さんが推薦するアートユニットeje(エヘ)の展示の3組の展覧会になっています。全く違う作品の展示なのですが、同じ空気を纏っているよう。ぜひその心地よさを体感してください。
東京モノレールとりんかい線の天王洲アイル駅にほど近く、T-art Galleryはあります。湾岸地域ですから、東京とはいえ街が広々として、視界が開けています。晴れやかな気持ちでギャラリーへ向かうことができるのはすてきですね。
ここで現在、新進アーティストたちによるグループ展『コレクターとアーティスト』vol.1が開催されています。アートコレクターが若手アーティストをひとり推薦し、それぞれが展示をするというもの。今回は3組のコレクターとアーティストが参加するかたちとなりました。
ひと組ずつ部屋が分かれていて、個展形式で作品が観られます。まずは入口右手の広いスペースへ。コレクター鳥越貴樹さんが推薦する、川内理香子の作品が並んでおります。ことしのはじめ、資生堂ギャラリーで彼女が展示をしたときにもご紹介をいたしましたけど(これ、食べられる? 銀座・資生堂ビルで味わう、強烈な「食」の体験——川内理香子展〈絵画〉)、ごくわずかな描線によって人間の根源的な欲求や感情を表す手際は、相変わらず際立っております。
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この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
公式サイト:http://yamauchihiroyasu.jp/