お金」と「情報」

レストランなら料理、洋服屋なら洋服、お店というものは「商品」を売っているところだと思いがちです。そうじゃないんじゃないか、というのが今回の林伸次さんのコラムです。林さんはお店の空間や雰囲気などを含めた「情報」もまた売っているのだと考えています。値札のつかないその「情報」と、客はどのように向きあえばいいのでしょうか。

お店が売っているのは商品だけじゃない

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

僕はよく妻と買い物に行くんですが、あるとき気づいた「妻の独特の買い物ルール」というのがあります。ある服屋さんで、そこの店員さんとすごくたくさんお喋りをして、いくつか試着をしたとします。すると、妻は「これだけ長い時間、相手をしてもらったんだから何か買って帰らなきゃ」と言って、必ず最低ひとつは買って帰るんです。

これ、もちろん妻が元アパレルの人間なので、色んな内部の事情を知っているからという理由もあるとは思いますが、「いろんな服を試着したり今の流行り教えてもらったりで、その店員さんの時間を奪ったことに対しての対価を払いたい」という気持ちなんだそうです。

さて、いつも思うのは、「物販業って、お店にお客さんがすごくたくさん来店してくれても、全員が買ってくれるわけではないから大変だな」ってことです。飲食店の場合は、入店していただいた時点で既に「お金を払ってくださるお客さま」なんです。

例えば、今度bar bossaの近くでバーを開く予定の人が偵察が目的で来店したとしても、入店したら、必ずお金を使っていただけるのでお客さまなんです。でも、「この雑貨店、流行ってるらしいからチェックしなきゃ」って同じく雑貨屋のライバル店になる可能性の人が来店して、1時間くらい全部チェックして帰っても、買わない場合って当然ありますよね。

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

ernkhr 最近大事だと思うことの1つだな→ 4年弱前 replyretweetfavorite

toukatu お金をグルグル回すって、ワイングラスとも掛かってるのか。 4年弱前 replyretweetfavorite

tofu_maki |ワイングラスのむこう側|林伸次 @bar_bossa |cakes(ケイクス) これも情報、グルグル回すー https://t.co/j9lbSrL88E 4年弱前 replyretweetfavorite

shujiuyeda はグルグル回すべき これはホントそう思いますね(^_^) http://t.co/tvrmfEZ4pA 4年弱前 replyretweetfavorite