なかなか仕事に手をつけられないのはなぜ?
「ずっとやろう、やろう」と思っているのに、なかなか仕事に手をつけられないでいる……。やらなければならない仕事なのに、「明日やればいいや」とついつい先延ばしにしてしまう……。みなさんも、そんな経験があるのではないでしょうか。このように、やるべきことを後回しにする人には、実は大きく分けて2つのタイプがいます。
ひとつは、やるべきことはわかっているけれど、仕事にとりかかろうとすると、まったく違う作業を始めてしまうパターン。このタイプの人は、やるべきことは頭に入っているので、いちいち行動計画表をつくる必要はありません。その瞬間、瞬間に重要だと感じたことに、エネルギーを注ぐことができるのが、このタイプの取り柄です。
このタイプの人は、朝の通勤途中に「やるべきこと」を思い出したにもかかわらず、デスクに座った途端、いきなり違う作業を始めてしまい、結局、締め切りギリギリまで先延ばしにするケースがよくあります。
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脳科学の分野では、このような行動をとってしまう人を「ひらめきタイプ」(同時系)に分類することができます。「ひらめきタイプ」は、直感力や創造力が豊かで、斬新なアイデアが次々と浮かんできます。創造性が求められる仕事が向いているといわれます。
もうひとつの後回しのパターンは、状況を正確に把握できない場面に遭遇すると、行き詰まった気分になって、目の前の作業が滞ってしまうというものです。
たとえば、このタイプの人は、今週中に資料を提出しなければならないのに、上司に何を求められているのかがイマイチわからないので、資料をつくる手が止まってしまいがちです。このような行き詰まりを感じているときは、毎日気になっているのに手がつけられなくなってしまいます。1つの作業が滞ることによって、他のこともスムーズに進まなくなるというケースもよく起きがちです。
このようなタイプの人は、脳科学の観点から言えば、計画性や安定力にすぐれた「堅実タイプ」(継次系)に多く見られます。このタイプの人は、本来やるべきことからコツコツと取り組み、一定水準のパフォーマンスを安定して発揮するのが得意なのですが、ひとたび行き詰まってしまうと、目の前の作業が滞ってしまうのです。
「ひらめきタイプ」の人と「堅実タイプ」の人とでは、脳の思考回路がまったく異なるため、「やるべきことを後回しにする」ことへの対策も同じではありません。
なお、第1回目の連載で、自分の脳のタイプを知るための7つの質問を用意しました。自分がどちらの脳のタイプであるか、くわしく知りたい人は、その質問に答えてみてください。
最初にやるべきことを決めて、必ず実行する
まず、「ひらめきタイプ」の人は、どうすればやるべきことを後回しにしないで済むのでしょうか。
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