男子の精神年齢の低さは「社会環境」から?
忙しすぎる大学生活のなかで、恋愛を後回しにしているアメリカの女子学生たち。もっとも、娘の友だちであるソフィアによれば、そもそも本気で恋をする気になれないのは「同級生の男子の精神年齢が低すぎる」からなのだそうだ。
我が娘や同じく友人のエイミーも「そうだよね。心の知能指数(Emotional intelligence)が低いって感じ」と同意する。
今回は、娘のアリソン、その友人のソフィア・エイミーの、キャリアと恋愛、結婚についての本音を紹介する。
彼女たちには男性の友達も多く、3年生のときに共同生活をした親友8人のうち2人は男子学生だった。それぞれの才能や長所は尊敬しているし、先入観で語っている様子はない。「もちろん全員がそうじゃないけれど、平均すると情緒的に発展途上」というのが大学生活4年間で得た結論のようだ。
「ということは、みんな男女には差があると思っているわけね。男女は生まれつき脳が異なるという説があるでしょ。性ホルモンが脳の発達に影響を及ぼすために構造そのものが異なるという説。『Pink Brain, Blue Brain』とかいった本もあるけれど、みんなもそういうのを信じているの?」
私がそう尋ねると、脳神経科学を専攻したアリソンを筆頭に全員が首を横にふって「ああいう説は嫌い」とけなす。
「僅かな生理的な違いはあるかもしれないけれど、それよりも社会環境の影響のほうが大きいと思う」
「そうよね。社会は、男の子たちの言動に寛容でしょう? 家でも学校でも、私達のように、『女なんだから発言を控えろ』、『女なんだから周囲に気を使え』、『女がこの時間に外を歩くほうが悪い』といった制約やプレッシャーなしに育つから、こちらの立場がわからないのよ」
「表層的には理解したつもりで『男女平等であるべき!』と言っているんだけれど、実生活の具体的な場面でのことは想像もしない。結婚しても自分のキャリアを優先して当然と思っている」
「そうそう。子供が生まれたら誰かが面倒をみなければならないという事実があるのに、それは自分ではない誰か、つまり妻がやることだと既に想定している。だから、キャリアを考えるときに子育てや家事をまったく要素に入れてない」
「女にも男と同じようにキャリアを伸ばす野心があり、二人が同時にそれを実現するのは努力しなければ難しいということを想像もしないのよね」
「そうそう! 男はそうやって誰にも遠慮せずのびのびと育ってきたからいつまでも無邪気でいられるの」
そして、「男性が急いで成長する必要がないのは、子供を持つ年齢制限がないから」ということで全員の意見が一致した。
近くで耳をすませている夫すら「ああ、まさにそのとおりだ」と笑いながら頷いている。
「兄は4歳年上なんだけれど、彼や彼の友達がちょうど私と同じくらいの精神年齢」とソフィアが言う。
「男性も25、26歳くらいで『いつかは結婚したい』と考え始めるけれど、それでも『子供ができたらキャリアを伸ばすのが遅れる』という心配はまったくしていない。それは女の問題だと考えてるから。むしろ、『家を買うお金を貯めなくちゃ結婚できない』とかお金の心配をしているみたいね」