加害者の元少年Aによる手記出版
元少年Aの手記が出版されてしばらくたちました。著者にも太田出版にも1円も落としたくないので、買っていません。すでに読んだ人の描いた書評や、ネットにアップされた書籍のごく一部を「見た」だけなのですが、その内容の残酷さと、自己陶酔全開の内容に、大変なショックを受けて、何日も考え込んでしまいました。
以下は、2006年11月にイギリス内務省から発表された、「犯罪により利益を得ることがないようにする(making sure crime doesn’t pay)というコンサルテーションペーパーの前文ですが、今私が考えていることそのものです。
It is wrong for convicted criminals to profit from their crimes, whether directly from the proceeds of the crime itself or indirectly through cashing in on the story of their crime. It is not only distasteful but contrary to the principles of natural justice that they should be able to exploit for financial gain crimes which have devastated the lives of victims and their families.
犯罪行為から直接でも、犯罪に関する話題で金銭を得るといった間接的なやり方でも、犯罪者が自らが犯した犯罪により利益を得るのは間違いである。不愉快なだけではなく、犯罪を犯すことで利益を得るという、自然の裁きに反することであり、このような行為は、被害者とその家族の人生を荒廃させる行為に他ならない。
書籍の内容もひどいと思いましたが、世の中に、お金さえ儲かって、話題になれば、何をやってもいいのだと考えている人がいたこともショックだったのです。担当編集者による釈明のインタビューがウェブ上で公開されたり、出版までの背景が週刊誌によって報道されたりもしていますが、私にはそう思えました。読者のみなさんはどのように感じられたでしょうか。
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