運」は科学的に上げることができる!—ウェアラブルセンサが示す幸福 vol.3

前回までは「幸福」の測定について迫ってきましたが、今回は「運」の科学的な法則について。「運」とは「偶然起こる好ましい出来事」と思われていますが、なんと合理的に上げるための方法があるのだそう。果たしてどうすれば運を上げることができるのでしょうか? また、ウェアラブルセンサを装着した測定によってできあがった「日々の生活にアドバイスをくれるシステム」の秘密にも迫ります。

幸福が定量化される→人間が完全に管理される→そんな世界は怖い! と多くの人は思いがちですが、その恐怖の本質は「多様性を奪われること」にある気がします。つまり、人間がデータで画一的に管理されることへの不安です。しかし、矢野さんの話を聞いていると、まったく逆で、データによってむしろ多様性が活かされるということでした。考えてみれば、技術は人のために使われるのですから、当然です。

今回は、前回の「幸福」に続き、さらに驚くべきあるものを科学します。その「あるもの」とは……。

「運」を科学する

— 「幸福」が定量化できるというお話、やっと理解できてきました。そういえば、「運」の法則についてもなにかわかったんですよね?

矢野和男(以下、矢野) ええ。「運」というとちょっと胡散臭いものにも聞こえますが、昔の人は「運」について真面目に考えていたんです。渋沢栄一や幸田露伴も著作のなかで「運」について論じています。現代のビジネスの場では誰も運の話をしませんが、実は運を「人生や社会で起こる好ましい出来事」つまり、「望ましい確率現象」だとすれば、統計現象として扱えます。

— それでビジネスにおける「運」を、「確率的に起こる好ましい出来事」と定義し、さらに、人との出会いがそれを生み出すと考えたわけですね。

矢野 はい。単純に人と会って話す人数が多ければ「運」と出会う確率も増えるわけです。自分では解決できない問題と出会ったときに、誰か他にそれを解決できる人がいれば、なんとかなるということです。

— 友達がいっぱいいるだけでいいんですか?

矢野 その人がどんな人か、そしてその人とどういう関係か、というのも重要です。人と人のつながりのかたちをセンサで測ってみたんですが、どういうかたちだといいのかまでわかっています。ただ、出会うだけではだめで、会話の質も重要なことがわかっています。

— 会話の質もセンサで計測できるんですか?

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“すこしふしぎ”な科学ルポ

海猫沢めろん

漫画家・藤子不二雄氏はかつて、SFを「すこし・ふしぎ」の略だと言いました。そして現在。臨機応変に受け答えするSiri、人間と互角以上の勝負を展開する将棋ソフト、歌うバーチャルアイドル初音ミク、若い女性にしか見えないヒューマノイド……世...もっと読む

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コメント

KiiCloudJP IoT技術でこういう目に見えないものが見えるようになると面白いですよね。 5年弱前 replyretweetfavorite

kobeyadaichan いやー面白い https://t.co/0NYwo3KW5s 5年弱前 replyretweetfavorite

plumes_sheep センサを装着した測定によってできあがった「日々の生活にアドバイスをくれるシステム」を実際に役立てている!? 5年弱前 replyretweetfavorite

hilbert_d 【はてブ新着学問】 5年弱前 replyretweetfavorite