大晦日の朝に「こじらせ女子」について考えたこと
大晦日の早朝に、cakesでもおなじみの皆さんもよく登場するTBSラジオのトーク番組『文化系トークラジオ Life』のスタジオにお邪魔しました。そこで2012年を振り返るトピックの一つとして「こじらせ女子とは、なにか?」っていう話になったときのこと。
メイン・パーソナリティーである社会学者・鈴木謙介さんに「そもそも《女子》ってなんなんですか、二村さん?」とふられて、げげっ本質的なとこ突くなー、と思いながら、正直それについては何も考えていなかったので反射的に「えーと、うーんと、教室で女の子が『男子は黙ってなさいよ!』って怒ってるときの《男子》の逆じゃないの……」って口走った。
そしたらチャーリー(←なぜそう呼ばれることになったのか事情は知りませんが、みんながそう呼んでる鈴木さんのあだ名)が「なるほど! 女性の《ホモ・ソーシャル》ってことか!」と拾ってくれて、あっ俺は自分が無意識に口走ったことの意味をいま理解した。さすがチャーリーすげえ……、と本気で感動したのはいいけれど、その後僕は、あまりうまく喋れませんでした。喋りたいことが、たくさんありすぎたのです。
それでかえって命拾いをしたのかも知れない、というのは放送後に「男子は黙ってなさいよ!」という怒りの声が、あちこちから上がったからでした。
しかし年が明けてこの原稿を書いていて、拾った命をわざわざ捨てにいくようなことをなぜしているかというと、そもそもこの連載が【その問題】を避けては通れぬというより【その問題】こそが話の中心であって、【その問題】を通して「女と男をつなぐ」「女と男の間の溝を、なんとか乗り越える」ために始めた連載だから。もちろん今回一回で書ききれるような問題ではないので、ゆっくり書いていきます。外堀を埋めるような感じで、関係あるようなないような話を箇条書きにしてみますね。なぜなら書きながら自分でも何をどう書けば言いたいことがうまく伝わるのか、わかってないからだ! そのくらいデリケートな話なんだよ!(←逆ギレ)
(1) 女の子は「《男子》は黙ってなさいよ!」って怒るけれども、子どもの男は「《女》は黙ってろ」って言うよね……。『大奥』(白泉社)や『きのう何食べた?』(講談社)の作者であるマンガ家のよしながふみさんが「女たちの苦しみは、分断されている。だから共闘しにくい」ということを、たしかどこかで述べていた。