時代はアジアらしい。
初めてそう感じたのは、アジア就職研究家で知られる森山たつをさんとお会いした時のことだった。熱気にあふれるアジア諸国の話を聞き、漠然とした興味がわいた。
次は大石哲之さんと共同講演を開催したときのこと。ベトナムを中心としたアジアの生活や仕事の模様、アジアがホットなのよくわかった。でも、まだ自分に直接関係のある話としては響かなかった。
具体的な興味を持ったのは、前述の森山さんと共同講演を開いた時のことだった。初めて知ったフィリピン英語学校の存在。フィリピン? 英語? マンツーマンでたくさん話せ、比較的短期間で会話慣れするという。実際にレッスンを受けた人の様子をビデオで見せていただいた。1ヶ月前と後の自己紹介の様子。発音が劇的に向上し、単語と単語の間に入る「あ〜」「う〜」といったフィラーがすっかり消えている。がぜん好奇心がそそられた。
そして年が明けた2014年の2月。知り合いのお子さんが、セブ島にある語学学校に留学した。帰ってきた本人からさまざまな話を聞き、この「漠然とした興味」が、具体的な興味へと形を変え始めた。
遠くて熱いアジア
しかし、そうはいっても僕が住んでいるアメリカとフィリピンではあまりに遠い。自分が太平洋をまたいだ向こう側に英語学校を設立し、経営するなんて果たして現実的なのか……。しかしまず百聞は一見にしかずと、久しぶりにアジアへと行ってみたのだ。
まず最初の渡航先はマレーシアのクアラルンプール。なぜクアラルンプールかというと、知り合いが何人も住んでいるし、かつて滞在したこともあるしで、実際にアジアがどのくらい発展したのか測るのに、ちょうどいいと思ったからだ。日本で講演を何本か済ませると、僕は飛行機に飛び乗って25年ぶりにマレーシアの大地に降り立った。
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