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かわいい
もう秋なのに蚊に刺されてしまったかわいすぎるモデルさんが「これ、まだ夏終わってないってことでいいよね?(笑顔)よっしゃ(小さくガッツポーズ)」と言ってきた時の感想:かわいすぎる
屈託のないまっすぐな笑顔でおはようを言ってくる人はおっさんでもかわいい。
裁縫が上手な人のかわいさは異常。
満員電車なんだけど両手を挙げてる紳士がいて、たぶん痴漢に間違われないためだと思うけど手が暇なのかグーチョキパーを繰り返してて、今この瞬間世界で一番かわいいおっさんの可能性ある。
うれしい時にちゃんと うれしそうな顔をして見せる人かわいい。
デュフフみたいな顔になるのやめたい。
前髪を切りすぎてしまったのが恥ずかしくておでこを押さえながら話す女子ホントいい加減にしてくれ! もっとお願いします!
『僕の隣で勝手に幸せになってください』P122-123より
『僕の隣で勝手に幸せになってください』蒼井ブルー/KADOKAWA/1300円
フォロワー13万人のアカ主は底辺カメラマン?
── ぐっとくるつぶやきを集めて『僕の隣で勝手に幸せになってください』という書籍になったわけですが、読みながら何度もグッと来たり吹き出したりしました。
蒼井ブルー(以下、蒼井) ありがとうございます。実は笑ってもらえるのが一番うれしいんです。
── 蒼井ブルーさんのTwitterは今、13万人(2015年5月現在)もフォロワーがいるんですね。
蒼井 ありがたい話です。
── 芸能活動をしているわけでもないのに、こんなにフォロワーがいるというのは、率直にどんなお気持ちですか?
蒼井 もう本当に恐縮です。友達や親戚や職場の人たちなんかにも監視されていて、そういうのはちょっとつらいです(笑)。
── コミュニケーションが増えて楽しそうですね。
蒼井 しょうもなすぎることをツイートした翌日には職場とかでもしっかりイジられます。最近はもう無視してます。
── 一方的に弱みを握られているような(笑)。こんなに大勢のフォロワーがいると、感覚が変わるものですか?
蒼井 始めた時に比べたらやっぱり違いはありますかね。例えばまっすぐすぎる下ネタとかはもうツイートする勇気ないです。
── あははは。確かに。
蒼井 唐突に「ちんこ!」とかツイートしたいんですけどね、無意味に。仲間内でやってる分にはいいんですけど、公開してる以上公共の場みたいなとこがあるじゃないですか。なので裸のままでは歩けないというか、最低限服だけは着ておかなきゃみたいなものはあるかもしれないです。
── おお、言葉にも衣装があると。わかりやすい考え方ですね。
蒼井 自意識も過剰になると荷物でしかないので、別に部屋着とかでもいいと思うんですけど。コンビニにお茶を買いに行くくらいの感覚で。自分が思っているほど人はこちらを見ていない的な話も一方でありますしね。
── そんな中でも、上手なツイートのコツとかありますか?
蒼井 むしろ教えていただきたいくらいです(笑)。ただ、アカウントを作ってもうすぐ6年になるので、慣れというか、そういうのはあるかもしれないです。自意識が育ってくると妙な緊張感も伴ってくるんですけど、楽というか適当というか、ゆるくやった方がいいところも何となくわかってきて、慣れですよね。まあそれでも「ちんこ!」はどうかと思いますけど。
── 自然体で。
蒼井 でも自分で自然体とか言っちゃうのってどこか不自然じゃないですか。それって言い聞かせてるイメージがあるんですよね、「自然体でいくぞ! 俺はもっと自然体でいくぞ!」みたいに。気が付いたら自然体になってたみたいなのが理想ですよね。ただ、さっき言ったみたいに最低限の服は着てなきゃいけない。全裸だと捕まりますし。いやそれはどうでもいいんですけど(笑)。
── あははは。全裸で逮捕はよくないです。本音でも、愚痴や悪口ばかりもよくないですしね。
蒼井 特定の人への悪口とかはアレですけど、でも愚痴はどんどん言いたいです。
── ああ。
蒼井 ツイートする前の下書きの段階でどこか心が整理されて、ちょっと収まったりするんですけどね。
振り返るために、今残す
── 蒼井さんは、普段のお仕事は何をされているんですか?
蒼井 わかりやすく言うと底辺カメラマンです。
── 底辺ですか?
蒼井 プロフィール上では、僕のことを知らない人が見ても何者かわかりやすいように「フォトグラファー」としてますけど、昔は、自分への叱咤激励を込めて「底辺カメラマン」と名乗ってました。這い上がれ自分! みたいに。今でも時給換算したら全然ブラックなんですけどね。嫌いな言葉は「納期」です。
撮影:蒼井ブルー モデル:あわつまい
── なるほど(笑)。普段から、つぶやき並みにさらっといいこと言えるんですか?
蒼井 全然です! 僕、関西出身なんですけど、漫才や吉本新喜劇を観て育って、友達といる時に一瞬ボケとツッコミみたいになったりとかってあるじゃないですか。なのでそういうのならまだアレなんですけど。気の利いたこととかさらっと言ってモテたいです。
── 「僕らはもっと、傷に触れずにさりげなく励まそうとしてくる人のことを愛さなければならない」といった、じんとくるいいことをいっぱい言えて、おバカなことも話せたら、モテそうです。
蒼井 いや、ツッコまれて終わりな気がします。「どした?」とか言って(笑)。
── それでも、こんなにも多くの人の心に響くことをつぶやけるのはすごいですね。蒼井さんのつぶやきって、誰かに向けて書いているという意識はあるんですか?
蒼井 これはもう自分に向けてのものなんです。ここ、絶対使ってくださいね(笑)。
── え、自分用なんですか?
蒼井 少し未来の自分に向けて記録しているというか、備忘録なんですね。恥ずかしいんですけど、僕、めちゃくちゃうじうじした性格なんですよ。ささいなことでもすぐ凹みますし、いつまでも引きずったりしますし。なので、思ったことやわかったことを残しておいて、同じようなことがあった時に見返すんです。真面目か!って言われたりもするんですけど(笑)。
── はい(笑)。
蒼井 だからアレです、あとから見返した時にできるだけスッと入ってくるようシンプルな書き方をするとか、そういうのは気を付けてるかもしれないです。
── なるほど。
蒼井 例えば、学校で取ったノートを家で見返したら、自分で書いたくせに何が書いてあるかわからないみたいなことがありますけど、せっかくなら復習もしてきっちり自分のものにしておきたいですよね。
── そうですね。
蒼井 変な話、関西出身なのに標準語で書いてるのだってそうですよね。わかりやすくしてるというか。
── 確かに。蒼井さんは関西の方ですよね。
蒼井 だって関西弁で書かれたノートなんてたぶん頭に入って来ないですもん。先生が黒板に関西弁で書き始めたらそれはそれでおもしろいですけど。
── 「ホントは悲しいのに明るく振る舞って 周りに気を遣わせまいとする人から順に幸せになれ。」とか、ふっと肩の力が抜けるようなことや、相手をねぎらったり、というようなことをつぶやいてたりしますよね。
蒼井 これもきっと自分のことですよね。気遣って空回りしてる僕に幸あれですよホントに。
── あははは。そういうことですか。
蒼井 よくない時というか、安定してない時って自分が安定してないということすら認識しづらくて、認識できたら歯止めがかけられるはずですもんね。いや歯止めをかけるというか、何でしょう、落ち着かせるというか。なので、答えとか出てなくてもいいのでまず残しておきたいです。「つらい」とか「泣きたい」とか「元気になりたい」とかだけでも全然いいので。あとで振り返った時に「ああ、この時って大変だったなあ」って思えるだけでも十分いいノートじゃないですか。
── 確かに、テンパっている時は、本人が一番状況をわからない。
蒼井 ありがたいことに日付とか時間も記録されますし、残しておく価値がありますよね。
重要なのは自分が好きか嫌か
── とても私的なことも書いているように思うのですが、それが多くの人に響いて、共有できているのはなぜなんでしょうか。
蒼井 そうだとしたらうれしいですけど、でも本当に備忘録なので実際のところはよくわかってないです。
── 蒼井さんのつぶやきを読んでいると、「元気出せよ」「大丈夫だよ」といった内容に、こんなにもいろいろな言い方があるのかと感心します。人に届く、または嫌がられないようにつぶやくコツってありますか?
蒼井 あの手この手で自分を励まそうとしてるんですかね。そう思うと健気で自分をちょっと抱きしめたくなってきました(笑)。
── 例えば、「ちゃんとしている人が好きなのに 自分がちゃんとしてないとかずるい。ずる人はもうアレです、今日のアイス無しです。」って。ふつうにアレは駄目、これはいかん、ということは簡単ですが、こう言われると「ごめんね、テヘって」って素直に思えそうです。
蒼井 みんなはもらえてるのに自分だけアイスなしだったら普通に泣きますけどね。いい大人ですけど泣く自信あります(笑)。でも言い方ってありますよね。例えば子どもでも、怒鳴られたらもっと泣いてしまって言葉も入って来ないと思うんですけど、諭すように言ってもらえたらとりあえず泣き止むくらいはできそうですし。
── 自分のことをちゃんと思ってくれているなと。
蒼井 そう思えたらうれしいですよね。で、言葉を聞き入れる準備もできたり。
── 蒼井さんも、そんな人に好感を持つということですね?
蒼井 そんな人大好きです。自分も周りの人たちにはそうありたいですね。
次回「言い方を変えるだけで心は響く」は、6/30(火)更新予定
聞き手:中島洋一 構成:力石恒元 撮影:蒼井ブルー
Twitterフォロワー数13万人超え、フォトグラファー・蒼井ブルーさんが、よりすぐりのつぶやきを厳選し、小松菜奈さんを撮り下ろした写真と書き下ろしエッセイを加えて書籍化しました。