6月第2週の主なできごと
・マレーシア地震、邦人の遺体発見(6月7日)
・危険ドラッグ 最大手を摘発(6月10日)
・ハリル監督 日本指揮官43年ぶり就任から3連勝(6月11日)
・「LINEミュージック」がスタート(6月11日)
・東芝 36億円の不適切会計が発覚(6月12日)
「『僕の変な彼女』は人生読み切りベスト3に入る傑作」
速水健朗(以下、速水) 前回は改憲漫画や公的年金漫画の話をしたけど、この国を考える上で、漫画は重要な存在だよね。この国で漫画に触れたことがない人って少ないんじゃないかな。
おぐらりゅうじ(以下、おぐら) 子供の頃からずっと漫画を読み続けてるって人も結構いると思います。自民党や厚生労働省も漫画の重要性は認識してたようですが、日本人の漫画リテラシーの高さを見抜けてなかった。
速水 まあね。漫画リテラシーの話でいうと、モーニングの新人賞の「第37回MANGA OPEN」で、編集部賞と東村賞をダブル受賞した『僕の変な彼女』が気になってたんだよね。これ、結構盛り上がってた気がするけど、もしかしたら俺らのまわりだけという可能性もあるかな。
おぐら 東村アキコ先生が「私の読んだ漫画の、人生読み切りベスト10いや、ベスト3に入る傑作です。今まで流したことのない種類の涙を、何回も、読むたび流しました」と絶賛していたし、それなりに話題性はあった思いますよ。ネットに最終選考の議事録も公開されています*1。
*1 【新人賞】 第37回MANGA OPEN、全受賞作を決定した白熱の最終選考議事録を公開!
速水 ネットだと最初は絶賛してる意見が多かったけど、徐々に「全然だめ」的な意見が押し返すという感じだった。で、俺だけど、良いも悪いも、正直話がよく理解できなかった。だから、おぐら君に解説してもらおうと思って。
おぐら え、理解できなかったんですか? むしろ僕は「あるある」だと思って読みましたよ。
速水 死んだ彼女が股間のお化けとして出てくる話の、どこが「あるある」なの!?
おぐら いや、そこじゃなくて(笑)。あらすじを言うと、主人公の男性・大ちゃんの元カノが交通事故で死んでしまったという場面から始まり、その元カノは大ちゃんのことを忘れられなくて成仏できず、股間のおばけとなって目の前に現れて「私とHして下さい!!!」と懇願する。で、自分の女性器を口に見立てて大ちゃんの男性器に話しかけたり、バイト先で変な行動をとったりという、生前の元カノのいわゆる「不思議ちゃん」的な言動の数々を回想。しかし、実は彼女は生粋の不思議ちゃんではなく、大ちゃんがその奇行を好きだと言ってくれたので、わざと過剰に変態を演じていた。という感じですかね。
股間に話しかけるのは「あるある」?
速水 ??? まだよくわかんない……。
おぐら まず、人を喜ばせるために道化を演じるのは、太宰治の『人間失格』を筆頭にもはや古典じゃないですか。
速水 黒髪ボブで前髪パッツンだから「不思議ちゃん」的世界だってのはなんとなくわかるよ。