日本ではアメリカのコーヒーショップが話題だけど……
東京では「ブルーボトルコーヒー」というアメリカから来たコーヒーが話題を呼んでいるようですね。
行列ができるほどの人気という話を聞いて私は 「なんでアメリカのコーヒーがそんなに人気なの?」という違和感を感じました。
というのもヨーロッパ方面では、アメリカのコーヒーは「靴下のしぼり汁」と揶揄されるほどゲロまずなことで有名だからです。
実際、私も10年ほど前にアメリカでコーヒーを飲んで、そのまずさに絶句した覚えがあります。元々コーヒー嫌いな私ですが、NYでよくあるコーヒーは黒くて苦いお湯にしか感じられず、まさに「靴下のしぼり汁」味。ますますコーヒーが嫌いになりました。
イタリア人の友人はアメリカのまずいコーヒーを飲むことを拒否し、毎朝自分で淹れたエスプレッソコーヒーボトルを持ち歩いていたほどです。
まあ、今住んでいるパリのコーヒーも別においしいわけではありません。これにはどうやら、パリのカフェへのコーヒー豆の卸しを単一の業者が牛耳っていって、そこの豆がまずいからのよう……。
美味しいコーヒーとの出会いは、まさかの空港で?
そんなコーヒー嫌いの私が、人生33年目にして本当においしいコーヒーと出会い、コーヒー好きになる奇跡が起きました。
イタリアからパリへ帰る格安飛行機を待っている時のことです。空港のロビーにあるカフェカウンターから、挽きたてコーヒーの香りがただよっていました。その香りにつられてついコーヒーを注文してしまったのです。
香りから味から全てが違うイタリアのコーヒー
すると……コーヒー・ルンバよろしく、心うきうき〜とっても不思議このムード〜たちまち私はイタリア男に恋をした〜♪ というのはおおげさですが、足元が浮いて小おどりしそうな気分になるほどおいしかったのです。
あまりのおいしさに「なんでイタリア滞在中にもっと飲んでおかなかったんだ!」と激しく後悔しながらパリ行きの飛行機に乗ったのを覚えています。
だからそれくらいおいしいイタリアのコーヒー屋が日本に上陸し、行列を作るほど人気というのなら納得できるんです。でも今話題になっているのはアメリカのコーヒー。10年前に比べたらおいしくなってきているという話ですが……。本当かなぁ。