街じゅうが見どころといっていい京都のなかでも、これだけまとめて幅広い美術品が観られる場所は少ないでしょう。京都国立博物館は、昨年あらたにできた「平成知新館」では、絵画、彫刻、書、工芸品、陶磁器などの膨大な名品を常に展示しています。
その一角にある特別展示室でいま、「日本の仮面 人と神仏、鬼の多彩な表情」と題した大いに気になる展示が開かれていますよ。京都とその周辺の社寺に伝来の仮面を集めて一堂に並べたもので、その数、35面。会場に入って全体を眺めると、ちょっと恐ろしくもあり、でも何やらかわいげとユーモアを感じさせるところもありそうな雰囲気。日本の仮面とひと口にいっても、いろんなバリエーションがあるものなのですね。