単純な意思決定も、
精神的な疲弊をし、能力を下げる
チョコレートを我慢することが必須条件の職業は、それほど多くはないでしょう。
しかし、専門職や企業幹部や管理職につく人たちは誰もが、気を散らすものに囲まれながらも質の高い意思決定と自己コントロールを要求されています。
結果を出すためには、ひとつの作業に集中し、メールの通知、ひょいと立ち寄る同僚、ほかのもっと楽しそうな作業など、職場で気をとられそうなもろもろに屈しないことが必要です。
要するに、結果を出すためには、自己コントロール能力が必要なのです。
優れた意思決定・投資・計画立案をするには、競合する選択肢に対処する必要があるからです。
競合する選択肢があるときは、その選択肢ひとつひとつに、それを追求する根拠があるものです。
したがって、ひとつだけを残して、あとのすべての選択肢を切り捨てるためには、自己コントロールが必要になってきます。
人は、できる限り多くの選択肢を残しておこうとします。
たとえそれが、コストが大きく、得るものの少ないことだとしてもです。
なぜなら、ものごとを決定するには意志力が必要なので、人は疲れているときには、
決定を延期するか、避ける方法を考えるようになるからです。
意思決定と自己コントロールには、興味深い点もわかってきています。
意思決定のような実行機能を使ってしまうと、自己コントロール能力を下げてしまうことがあるのです。
ミネソタ大学とフロリダ州立大学の研究から、脳は意思決定を行うことで、たとえ自覚はなくても、消耗しやすいことが明らかになっています。
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