こんにちは、外科医の雨月 メッツェンバウム次郎です。
ついに関東も梅雨入りし、全国的に雨の季節がやってきました。そろそろ夏休みの予定など立てている方も多いのでは。
沖縄やハワイなど、南の島に遊びに行ったことはありますか?
360度を海に囲まれた美しい大自然。ちょっと不便だけど、ゆっくりと時間が流れていて、行き交う人々はみな優しげに挨拶をしてくれます。いいですよね、最高のバカンスです。
今回お話するのは、観光地にならない、名前も知られていないもっともっと小さい島の、「孤島」のお医者さんのお話です。
私はこれまで何度か、そんな小さい島で医者として働いたことがあります。そこで目にしたたくさんの、驚くべき、心温まる体験をお話しましょう。
台風が来ると食当たりが増える
みなさんは、「島の医者」と言われると、どんなことを想像しますか?
白髪に眼鏡をかけた、自転車で往診する優しそうなおじいちゃん先生ですか。
それともDr.コトーのような、若いイケメンの何でも出来るスーパードクターでしょうか。
ゆっくりと、患者さんの目をみて、のんびりお話をする。診察よりも、世間話の方が長かったり。そんなイメージかもしれません。
でも、「島の医者」を実際にはそんなにのんびりもしていないし、結構大変なんです!その代わり、島ならではの面白エピソードもたくさんあります。
島というところは、まわりを全て海に囲まれていますよね。
ですから、物流は全て船に頼っています。ということは、台風や大雨にかなり弱い。台風が来るたびに、食料や医薬品が来なくなり、ほんの少しのストックのお薬がそこをついてしまうことも……。一度台風が来ると、1週間は船が近づけなくなってしまうので、大打撃です。高血圧の患者さんは一斉に血圧が上がりますし、島にいくつかしかないスーパーの食料品も、痛んでくるのでなんと食あたり患者さんが増えるんですよ!!
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