僕たちは神田うのを更新しながら生きてきた

今回取り上げるのは、タレントの神田うのさん。元ベビーシッターの女性から3000万円相当の窃盗を受けていたと大々的に報道されるも、いつのまにか「自業自得だ」「かわいそうに思えない」など、むしろバッシングを受ける立場になってしまいました。世間離れしたセレブ的な振る舞いのせいか、たびたびバッシングを受ける神田さんですが、彼女には特異な需要が向けられていると武田砂鉄さんは分析します。

アンジェリカか、ジェシカか、もう1人か

「テレビに映る女性が、道端の誰なのか、に迷ったら、大抵はアンジェリカだ!」と熱弁してきた親友とはもう1年近く会っていないが、次に会ったらなぜそう断言したのかを問い質さなければいけない。なぜならこちらがテレビで見かける道端は、大抵の場合、ジェシカだったからだ。しかし、テレビの中に出てくる「道端の誰か」に対する30代男の応対としては、両者とも無難であるとは思う。

抜群のスタイルやゴージャスな生活を繰り返し押し出してくるのは、その言動を適宜引き受ける人がいるからだが、その矛先から決定的に逸れている場合、わざわざその対象に向かっていく必要などない。テレビに出てきた「道端の誰か」を、アンジェリカか、ジェシカか、もう1人か、判別しないままでも構わないのだ。

お気に入りの少女のために投資しまくる人たち

そもそもテレビの中の人なんて、圧倒的に自分と関係のない人、と据え置くのが賢明な態度だ。CDを何百枚と買って、お気に入りの少女に投票して、「これが彼女のためになるのなら」とご満悦な人たちもまだいるようだが、芸能界の内と外はそもそもコミュニケーションが切断されている、というところからスタートしないと、芸能界の内に操られることになる。

ファン心理というのは、「操られてもいい」という譲歩から優しく起動して膨らんでいく。女の子に気に入られるために投資しまくるべし、という環境設定は夜のお仕事そのものなのだが、例の選挙ほど露骨でなくとも、ファンの忠誠心はそれぞれの対象に対して注がれ、その視線の濃さと熱さが常に問われていく。その濃度と温度は一部の人だけにあればいい。自分の周辺が「道端の誰か」で済ませていても、その人にとって明確にアンジェリカならば、道端アンジェリカは私たちの前に登場し続けるのである。

「この人のどこに需要があるのだろうか」と疑問視する需要
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

0501Can #神田うの #バッシング 4年弱前 replyretweetfavorite

abm 定期的にひったくり被害にあっていた桑マンとか、毎年ベガスで散財する美川憲一とか、昔はこういう存在が多かったけど、今はうのくらいかね。> 4年弱前 replyretweetfavorite

ino_net 神田うのという人は「『この人のどこに需要があるのだろうか』と疑問視する需要」を根こそぎかっさらってきた人。 4年弱前 replyretweetfavorite