母性は「育てる」もの
——今回で連載は最終回となります。最後に、女性ホルモンの最大の特徴である「母性」についてうかがいます。母性は女性にとって大切なものだとは思いますが、子どもを産んでいても「子どもにイライラしてしまう」「かわいいと思えない」と思い悩むお母さんもいますし、出産をしない女性もいます。現代は昔とは女性を取り巻く環境も異なりますし、女性ホルモンがあるからといって、誰でも自然と母性を持てるわけではない気がするのですが、そのあたりはいかがですか?
確かに女性ホルモンは母性を育むものですが、女性ホルモンが出ていれば必ずいい状態で母性が育つというわけではないんです。まず、母性は訓練することで育ってきます。模擬が必要なんです。だからこそ、小さい頃から女の子には、優しい言葉で話したり、人形の赤ちゃんをおんぶしたりだっこしたり、おっぱいをあげる真似事をさせることが大切なの。
ちなみに、その模擬の場面で、日本人の子育ての文化と異質なのが「ミルク飲み人形」なんですよ。私はミルク飲み人形が欧米から入ってきたことが、日本の母乳文化が変わった1つの要因だと思っています。だから、母乳哺育を推進する立場としては、今、改めておままごとで「おっぱいやり人形」を使って、母乳を与えることが当たり前の行為として女の子に身につくようにしてほしいと思っているのよ。
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