満州に初恋を置いてきたおじいちゃん

大学を辞めて鬱々とした生活を送っていた10年前の牧村朝子さん。その当時に図書館で見かけた中国語を必死に勉強するおじいちゃんの姿が頭に焼き付いていて、今でも思い出すことができるそう。なぜ、話したことがあるわけでもなく、知り合いでもない、図書館で見ただけのおじいちゃんが牧村さんに大きな影響を与えているのでしょうか?

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大学を辞めてみたら、そこには夢がなかった。

緑まぶしく蒸し暑い夏、市立図書館まで何度も歩いた。頭の中には確かこんなスケジュールがあったと思う。

朝 勉強
昼 楽器屋でバイト
夜 バーでバイト
深夜 勉強

特に夢もないフリーターである自分が図書館で手当たり次第に本を読むことを、私は「読書」ではなく「勉強」と呼んでいた。そう呼ばなければ自分を許せなかったのだ。歴史、料理、天文学。あらゆる本が棚に分かれて整然と並ぶこの図書館の、どこかにきっと自分の進むべき分野があるんだと、そう信じなければ自分を許せなかったのだ。

2005年、18歳で入学した音大は、入学式の祝辞でこう言われるような場所だった。

「新入生諸君、君たちの中で音楽で食べて行けるのは100人に1人くらいのものだろう」
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ハッピーエンドに殺されない

牧村朝子

性のことは、人生のこと。フランスでの国際同性結婚や、アメリカでのLGBTsコミュニティ取材などを経て、愛と性のことについて書き続ける文筆家の牧村朝子さんが、cakes読者のみなさんからの投稿に答えます。2014年から、200件を超える...もっと読む

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コメント

makimuuuuuu 何をしていいかわからないままフリーターやってた頃、図書館で見た光景の話を貼っておきます 今夜だけ無料公開だよ https://t.co/8Jcor6AV1q https://t.co/LRBgwgxIh8 1年以上前 replyretweetfavorite

sukuwet 本当にまきむぅさん好きすぎる…本当に本当に 4年以上前 replyretweetfavorite

makimuuuuuu 想像が自分の中でどんどんふくらんでいって、ウソか本当かもうどうでもよくなる、そういう出来事について今回の連載エッセイで書きました ▼ https://t.co/TEwWWCHmwU http://t.co/fTQMbtqaHb 4年以上前 replyretweetfavorite

makimuuuuuu ▼ https://t.co/W8uVYwIeF0 やむをえず型のフリーターやってた時代に出会った、今でも夢に見る光景について書きました 4年以上前 replyretweetfavorite