5月22日にダイヤモンド・オンラインに掲載された、「能力ある女性が昇進したがらない深い事情|女性活躍推進を阻む企業の誤解」という記事が、大変な話題になっています。掲載から1週間経った時点でFacebookの「いいね」数は3400と、同じ期間の記事の中では2位に3倍以上の差をつけ記録的な値に達していました。
ちなみにこの記事は、私の所属するグロービス経営大学院の2人の女性教授が執筆した記事です。身内だから持ち上げるわけではないのですが、記事の内容に私も非常に共感しました。
今日は、この記事を読んで少し考えたことを述べてみたいと思います。
「強いリーダー」による組織はもう限界
この記事が話題になった理由を一言で言えば、「女性が管理職になれない、あるいはなっても十分に能力が発揮できない、具体的かつ解決可能な問題点を指摘した」ことだと思います。その問題とは、一般にリーダーに求められる(と思われている)ステレオタイプな振る舞いや資質が、女性の多くが得意とするリーダーシップのタイプとかい離していることです。
これは私自身も企業研修などでリーダーシップについて議論するたびに感じることですが、日本人は「リーダー」というポジションの人間に対して、自信に満ちあふれた決断や毅然とした指示命令、単独でも先頭を切る行動力など、ある種の「頼もしさ」を期待することが多いです。しかし、細やかな気配りや言動の慎ましさ、みんなの協力を重視する姿勢など、一般的な女性に求められるジェンダー・ステレオタイプはこれと正反対です。だから、なる前となった後で正反対の言動を求められる女性にとって、管理職というのは「自分自身が活躍できるイメージの湧かない」仕事だというわけです。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。