本当にすてきなものは、食べログじゃ見つからない—vol.3

ウグイス開店当時、資金が300万円しかなかったという紺野真さん。しかし、すくない金額で店を立ち上げようと試行錯誤するうちに、かえってお店のコンセプトがはっきりしてきたそうで……。紺野さんがお店づくりで大切にしてきたこと、平野さんを“ごはん狂”にしたとあるレストランの「魔法」の話なども明かされます。『なぜかワインがおいしいビストロの 絶品レシピ』(サンマーク出版)刊行を記念した、紺野真さんと平野紗季子さんによる「たべもの」トーク、いよいよ最終回です。

たくさんお金があればいい店が作れるとはかぎらない

平野紗季子(以下、平野) 紺野さんがすてきだと思うお店の話のなかで、「オンリーワン」という言葉が出てきましたが、紺野さんがご自分のお店をオンリーワンにするうえで心がけていることはありますか?

紺野真(以下、紺野) そうですね……質問とそれるかもしれないですけど、ウグイスを始めたときから絶対にぶれないようにと思っているコンセプトは、「マスの対極」ってことですね。僕、基本的に自分がサブカルでいたいなと思っているんです。
 たとえばお金をいっぱい持っているとか、従業員がいっぱいいるとか、大量生産でできるとか、リソースにものを言わせて作る店と正反対の位置にいたい。その理由は、まあ、最初自分が実際にお金を持ってなかったからなんですけど(笑)。

平野 あ、本の中のエッセイでも書かれてましたね。

紺野 うちの親に頼んで少しだけお金を借りたのを合わせても、マックスで300万円しかなかったんですよ。しかもまるまる使っていいわけじゃない。実際に物件を見ていると、「あれ、家賃を5万円増やしたらこんなにいいところ借りられる」とか、どんどん上を見ちゃうんだけど、開店したら利益が出るというものでもないですからね。できるだけ節約して、結果250万円でオープンしました。そうするうちに、それまで自分が思っていたことがお店のコンセプトにどんどんリンクしてきて。

平野 「こういうお店にしたい」ということが、お金をかけないでお店をつくることとリンクしてきた?

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なぜかワインがおいしいお店のひみつ

平野紗季子 /紺野真

夜な夜なワイン好きが集う人気店、三軒茶屋の「uguisu(ウグイス)」と西荻窪の「organ(オルガン)」。その2店の店主である紺野真さんが、初の著書『なぜかワインがおいしいビストロの絶品レシピ~隠れた人気店ウグイス&オルガン自慢の5...もっと読む

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コメント

ryottaman マスの対局(注:有料記事): 5年弱前 replyretweetfavorite

junyamadera 食べログは全く信頼してないし見もしないし、世界各地の信頼できる友人に「君の行きつけのお店連れてってよ」って頼む生粋のアナログ派。 5年弱前 replyretweetfavorite

takurokoma ”お店で僕が売りたいのは「料理」じゃなくて「時間」なんですよ。” 5年弱前 replyretweetfavorite

sizukanarudon 紺野真@cafe_uguisu平野紗季子@sakichoon https://t.co/159DdXadM6 たくさんお金があれば良い店が作れるとは限らない。 「料理」ではなく「時間」を売っている。 5年弱前 replyretweetfavorite