アイドルを取り巻く状況はどう変わりましたか?
Q.最近はアイドルを聴きながら色んなジャンルの音楽も聴くというのが一般的になりましたけど、当時アイドルヲタはマイノリティで、完全に迫害されていましたよね(笑)。
劔:僕もライブハウスとかで、隠れキリシタンのように仲間を見つけるのに必死でしたね。「あれ? エフェクターボードに『ガッタス』のステッカーが貼ってある!」とか(笑)。
Q. どうしてこういう流れになったんだと思いますか?
劔:やっぱりパフュームがロックファンを取り込んだのが大きかったんじゃないですかね。あとはそれこそ「でんぱ組.inc」は一番振り切ったところまで行ったんじゃないかと。最近はバンドのヤツらにもアイドル好きが増えたし、「ももクロ」なんか女性ファンもスゴく多いですよね。いまはアイドルのライブ会場にオシャレな人も多いけど、昔は自分も含めて「この男たち会場ごと燃えちゃえばいいのに」と思うような場所でしたよ。
「でんぱ組 inc.」のライブ会場。
Q. 「ハロプロ」のファンは個性的な人が多かったですよね。ただのヲタなのにみんなに知られているみたいな(笑)。むしろ最近は、普通にカッコ良い人やオシャレな人も多くて、どこよりも人種のるつぼ感がありますよね。少し前までは、似ている格好をしている人同士は友達だという文化があったけど、いまは外見ではまったく見分けがつかないんですよね。ひとつの共通の話題のもとに色んな人種の人たちが仲良くなれるという意味では、実は世界平和の第一歩なんじゃないかって。
劔:ですよね。「でんぱ組.inc」のライブに行っても可愛い女の子が多くて、なんでかわからないけどだんだん悲しくなってきて…(笑)。でも、スゴく良い時代になりましたよね。
Q. いままでアイドルのプロデューサーは男性だったけど、私は女のアイドルヲタだったから、そういうのを見て、「この子たちは大人の男たちにやらされているところがあるんじゃないか」ってスゴく気になっていたんですよ。「本当はこういうこと言いたくないんじゃないか」とか。だから私は、女のアイドルプロデューサーとして新しい何かを築きたいなって思っているんです。ヲタが憧れる神聖な花園を作りたいなって。
劔:そういう意味では、つんく♂さんとかは女心が分かっているなと感じます。あれだけ女性に囲まれているのに、お見合いで結婚したというのも、スゴく好感度を上げましたよね。有名人こそお見合い結婚するべきだと思いましたよ。
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