川上慎市郎
ITが教育を変えたら、何が起きるのか
グロービスでも教鞭をとる、「R30」こと川上慎市郎さんのマーケティング&マネジメント論。今回はずばり、ITと教育の関係です。どちらも昨年熱く語られたテーマで、米国での教育ベンチャーの設立などの動きがいよいよ日本にも波及してきているところです。いったいどんな変化が新年に起きるのか、川上さんがあざやかに分析します。
昨年あたりからベンチャー界隈で「これからはこの分野だ」と熱く語られるようになっているテーマが、二つあります。
一つは「ものづくり」です。こちらは「ロングテール」「フリー」などのベストセラーで知られるジャーナリスト、クリス・アンダーソンの新刊「メイカーズ」によって、大いに話題になりました。

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
「メイカーズ」は、三次元プリンターやオープンソースの配線基板など、ITの活用によって巨額の設備投資から解放され、民主化される製造業の近未来を描いた本です。これらの動きは日本でもすでに現実のものとなりつつありますが、その話はまたいずれ。
そしてもう一つのテーマが、「教育」です。
教育分野におけるIT革命が話題になったのは、決して最近のことではありません。しかし、それが実際にどのようなもので、世の中にどのようなインパクトを起こすのかが比較的はっきりと見えてきたのは、おそらく2008年以降でしょう。
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この連載について
川上慎市郎
グロービス・マネジメント・スクールでマーケティングを教える川上慎市郎さんが、若手ビジネスパーソン向けに、マーケティング、メディア、そして教育について、深くやさしく解説をします。かつて有名ブログ「R30::マーケティング社会時評」を運営...もっと読む
著者プロフィール
グロービス経営大学院准教授、美浜中学校PTA会長。早稲田大学政治経済学部卒、IESEビジネススクール(スペイン)IFDP修了。日経BP「日経ビジネス」誌記者として企業取材に携わった後、日本経済研究センター研究員を経て、複数のビジネスメディアのネットマーケティング戦略の企画立案やシステム設計・コンテンツ開発等に従事。その後グロービスに入社。マーケティング領域のプログラムやケースの開発、経営大学院や企業研修での講師を務める傍ら、ケースメソッドによる経営教育の方法論の研究にかかわる。共著書に『プラットフォームブランディング』『メディア・イノベーションの衝撃』『WEB2.0キーワードブック』がある。