chapter5-2 ACSモデル

ヒットレシオを極限まで高め、成績のブレを無くすため、師匠から恋愛戦略の高度なフレームワークを学ぶ。数撃ちゃ当たる、というのはもう卒業だ。

「Aフェーズで大切なことは女を魅了することだ。魅了できた時点で、Aフェーズはクリアとなる。連絡先の交換や、アポ取りの成功などの形式的なことより、本当に魅了できているかどうかが重要なんだ。Aフェーズを経ずに、Cフェーズをはじめてしまえば、ただの友だちになってしまい、男として見られなくなる。必ずAフェーズからはじめる必要がある」

「A→Cの順番でなければいけないということか」

「Cフェーズでは、女に、お前といっしょにいても安全だと思われる必要がある。安全というのは、社会的に信用できる人間で、危害を加える危険人物じゃない、ということだ」

「手を出さない、という意味での安全ではなく、そっちの安全ですね」

「そうだ。そして、ラポールが形成できたあとのCフェーズ後半では、相手の女からの脈ありサインをいくつか確認しながら、いよいよ情熱的に女への好意、愛情、抱きたいという気持ちを伝えていく。そして最後のSeduction(性的誘惑)フェーズに移っていく。ここで、相手の女を発情させる」

「いよいよですね」僕はゴクリと唾を飲み込んだ。

「Comfort-Buildingがその日に十分達成できていなかったら、Sフェーズはうまくいかない。いったん引いて、次に会う日は、また、Cフェーズからはじめるべきだ。Aフェーズがクリアされ、Cフェーズでラポール形成に成功して、はじめてSフェーズにシフトできる。当たり前だが、C→Sフェーズシフトは必ず同じ日に起こさなければいけない」

「確かにそうですね。だって、セックスの直前まで行って、じゃあこの続きは週末に、みたいなことにはなりませんからね」

「CからSへのフェーズシフトは時間が連続していないといけないんだ。しかし、空間はパブリックな場所から密室へとジャンプさせる」

 C→Sフェーズシフトは時間が連続、空間はジャンプさせる……、僕はノートに書き込んでいく。

「アグレッシブなプレイヤーがよくやるミスは、Aフェーズをクリアしたあと、このCフェーズをすっ飛ばして、いきなりSフェーズに入ろうとすることだ。クラブなんかで、話しかけてすぐにキスできたりした場合には、調子に乗って、すぐに『ホテルに行こう』などと言ったりしてはいけない。必ず、A→C→Sの順番だ」

「なるほど。だからACSモデルと言うのか」

「ただ、A→Sの直接ジャンプがワークすることはたまにある。ワンナイトスタンドだ」

「ワンナイトスタンド?」

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ぼくは愛を証明しようと思う。

藤沢数希

恋人に捨てられ、気になる女性には見向きもされず、非モテな人生をおくる主人公のわたなべ。ある日、恋愛工学と出会い、彼の人生は大きく動き出す……。 ファイナンス、経済学、エネルギー政策に関する著作をもち、リスク・マネジ...もっと読む

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コメント

kuma_kuma こっちは工学系の『LOVE理論』かw http://t.co/Lk3NdKN0ni 2年弱前 replyretweetfavorite

kn_sakuma これ営業マンこそ読むべきだと思うwww 2年弱前 replyretweetfavorite

toshifumi1017 ACSモデルがようやく理解できたような…。 詰めの甘い男には、CからSが難しい。 2年弱前 replyretweetfavorite