西田藍
「
接続された女」自分を殺して《神》になったアイドルのお話です
SFマガジン史上初のカバーガールとして衝撃のデビューを果たしたアイドル・ライターの西田藍が、海外SFの定番を改めて読み直し、その内容や感想を思うままに語る本誌連載のcakes版。今回ご紹介するのはある覆面作家が描く、科学技術で《神》=アイドルになった少女の恋と悲劇の物語。ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『愛はさだめ、さだめは死』より、「接続された女」のお話です。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアが実は女性作家だということは今では常識だ。初めて知ったときも、ジュニアなのに女性なんだ、ふーん、という軽い感想。なんで昔はそんなごちゃごちゃ色々あったんだろう、と思う。ふふふ。
この短篇集にはその昔あったごちゃごちゃ色々を示すある文章、ロバート・シルヴァーバーグによるティプトリー評が巻頭に載っている。謎の覆面作家、ティプトリー。「逃れようもなく男性的」「男にジェーン・オースティンの小説が書けるとは思えないし、女にアーネスト・ヘミングウェイの小説が書けるとも思えない。それとおなじ意味で、ジェイムズ・ティプトリー作品の筆者は男性だと、わたしは信じている」と書いてしまった3年後、彼女から手紙が届く。ティプトリーはアリス・シェルドンの筆名、どうかあまり気にしないで、と。
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この連載について
西田藍
2014年10月号のSFマガジン(売切御礼)において史上初のカバーガールとして衝撃のデビューを果たしたアイドル西田藍が、海外SFの定番を改めて読み直し、その内容を思うままに語る本誌連載がcakesにも登場です。紹介されるのは、幾星霜も...もっと読む
著者プロフィール
アイドル。1991年生まれ。『ミスiD(アイドル)2013』で準グランプリを受賞しデビュー。文芸アイドルとして書評、エッセイなど執筆活動も行う。NHK Eテレ「ニッポン戦後サブカルチャー史」出演。SFマガジン2014年10月号『特集:いまこそ、PKD』にて初の表紙グラビアを飾る。SFと美少女と女学生の制服が大好き。アイコンは吾妻ひでお先生にいただいた似顔絵。さゆロス乗り越え中。