土のほうがマシ!?
写真:MIchael Booth
あんたってほんとにくそったれね、マイケル。
——ジェイミー・スパークス
「イチゴを使ったチョコレート」をどう思う? 当てて見せよう。ふたつを一緒に食べるなんておぞましいと思っているだろう。まともな考えの持ち主なら、そう思うに決まってる。
でも残念ながら、みんながみんな僕たちのように良識があるわけじゃない。信じられないだろうが、科学的反証や良識なんかそっちのけで、チョコレートとイチゴのスイーツ、たとえばイチゴのチョコレートボンボン(これぞ料理における悪の真髄だ)やイチゴのチョコレートがけが最高の贅沢だなんて人がいるのだ。
僕はどう思うかって? チョコレートがけの土でも食べた方がましだ。
料理学校に通うほどの生徒なら、味覚が洗練されているから、あんな俗っぽい陳腐な細工にうつつを抜かすはずがないと思うかもしれない。でもそうじゃないのだ。じっさい、ル・コルドン・ブルーの親友たちでさえ、チョコレートとイチゴの組み合わせは最強だなんて言うもんだから、学校の前の立ち話が議論になり、夜遅くまで続くこともしょっちゅうだった。
事態が山場を迎えたのはバレンタインのときだ。クリスティーンがヘイデンのためにイチゴのチョコレートがけをつくり、次の日学校で得意げに報告した。
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