『英国一家、フランスを食べる』刊行記念トークイベントのお知らせ
著者マイケルが緊急来日! 本書やNHKアニメも好評放送中の大ヒット作『英国一家、日本を食べる』のウラ話、フランスの美味しいもの話……などを、ル・コルドン・ブルーのシェフとの対談スタイルで語ります!
日時:2015/6/8(月)19:00~20:30 (18:30開場)
会場:ル・コルドン・ブルー東京校 渋谷区猿楽町28-13 ROOB-1
申込方法:『英国一家、フランスを食べる』(1500円+税)整理券つき書籍を、 代官山 蔦屋書店 3号館1F料理フロア(イベント会場より徒歩1分)にて、事前にお求めください。電話予約・取り置き可(03‐3770‐2525)。残席わずか! お求めはお早めに! http://www.asukashinsha.co.jp/news/n11555.html
料理番組に嫌気がさして
写真:MIchael Booth
自分が料理を知らないことを自覚してからもしばらくの間は、日曜大工が苦手な人がいるように、料理がうまくできなくても別にいいじゃないかと開き直っていた。でも料理は、棚のとりつけなんかよりずっと大切な仕事だ。タレントシェフの本に手を伸ばすたび、自分の素人っぽさを責められているような気がした。
僕のことをまっとうな料理人だと信じてくれる夕食会の客にほめられても、空しいだけだった。まっとうな料理人どころか、しがない詐欺師じゃないか。中産階級の食卓に並ぶような料理を、タレントシェフ本の簡単な手順に従ってつくるだけの、よくいる食通のひとりってだけだ。
テレビシェフを見ながら育った食通の多くがそうだと思うが、僕は「料理は手早く、簡単に、安くつくるもの」なんて考えに、いい加減嫌気が差していた。僕は料理を楽しみたかった。時間のかからない簡単な料理じゃなく、時間のかかる手のこんだ料理がつくりたかった。ハーブをさっと和えた魚をオーブンで15分焼くだけの料理や、10分でつくれるサラダ、クスクスやパスタ、「手でちぎって投げ入れる」式の料理にはもううんざりだ。
どんな料理番組も、料理嫌いをターゲットにしているように思える。でも料理のために労力をいとわない人はどうすればいいんだろう?
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