あらゆる才能は作られたものである—vol.5

才能は生まれ持ったものでは無い。今回はどんな分野でも成功の鍵を握るのは鍛錬であり、一万時間を費やせば、平凡な人間でも、特定の分野において世界レベルの能力を得られる、という「一万時間の法則」について。
金メダリストや企業エリートの力を次々引き出してきた、ノルウェーで話題騒然のメンタルコーチのレッスンをcakesでお届け。

育てられた天才たち

モーツァルトが子ども時代に交響曲を作曲できたのは、驚くことではない。幼少時代までに、すでに一般の人が生涯に聴くより多くの音楽を浴びていたのだから。モーツァルトをたぐいまれな天才だと評する人はいる。しかし、彼の音楽の才は、卓越した鍛錬の結果という証拠のほうが、はるかに多い。

「神童」の代表例のように言われるモーツァルトだが、生まれつきの才能が幾分あったにしても、その天才ぶりには、「育ち」が果たした役割が見逃せない。

モーツァルトの父は優秀なヴァイオリン奏者で、幼い息子に朝から晩まで音楽の勉強と練習をさせた。ヴァイオリン、ピアノ、声楽、音楽理論、作曲。モーツァルトは四歳にして、長いピアノ曲を暗譜でミスなく演奏した。初めてピアノ協奏曲を作曲したのは五歳のときだ。五歳上の姉は、「弟は、音楽に没頭しはじめると、およそ他のことに興味がいかなかった」と話している。

モーツァルトは生まれつきの天才ではなく、父レオポルドの音楽教育によって作られた天才なのだ。

天才チェスプレーヤー三姉妹を育てたラズロー・ポルガーは、著書「天才を育てなさい!」(Bring up Genius!)で、どんな子どもでも正しい環境さえ与えてやれば、いかなる分野でも卓越した結果を出すことができる、と述べている。先天的な能力の不足は、努力で補えるのだ。

この説には懐疑的な意見もあったため、ラズローは学校教師のクララとの間にスーザン、ソフィア、ユディットの三姉妹をもうけ、実践で証明してみせた。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
ダントツになりたいなら、「たったひとつの確実な技術」を教えよう

エリック・ベルトランド・ラーセン /山口真由

人口約500万人のノルウェーで、30人に一人が読んでいるという記録的なベストセラー「BLI BEST MED MENTAL TRENING」。金メダリストや企業エリートの力を次々引き出してきた、話題騒然のメンタルコーチが、あなたの実力...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

shimodakohei 最近良く聞く。 http://t.co/SevKCqUtzw 5年以上前 replyretweetfavorite

nozakimasahiko 真実と思う。とはいえ、継続できるのも才能! 5年以上前 replyretweetfavorite