こんにちは、外科医の雨月(うげつ) メッツェンバウム次郎です。
初夏も本格化してきて、台風のニュースもちらほら聞こえてきましたね。
台風が来ると大気圧が下がるので、昔手術をした疵がうずく患者さんが増えます。そしてなぜか、虫垂炎(俗に言う「盲腸」)の患者さんが増えるんです。虫垂の内圧が変化して炎症が惹起されているのだろうか……不思議です。
ところで、私のボスの一人に40代中盤男性のドクターがいます。今みたいな季節の変わり目にはいつも調子が悪そうで、血圧が上がってしまうんです。
高血圧症で、降圧剤(血圧を下げるお薬)を同僚の循環器内科医から処方されていますが、いつも自分の判断で飲んだり飲まなかったり。血圧が高いときは勝手に増やしたりしています。自分も医者で患者さんがちゃんとお薬を飲まないとブツブツ言うのに、自分のことは棚に上げている(笑)。
こういう人のことを、「服薬アドヒアランスが悪い」と言うんですが、実は患者さんの中にも結構多いんです、こういう人。
30日分の処方をしたのに、なぜか10日で「薬がなくなった」といって受診する方。逆に、鎮痛剤を飲まずに大量に余らせておいて「ネットで薬はあんまり飲まない方が良いってあったから飲まなかった。すごく痛い」とおっしゃる方。
うむむむ。と私、困ってしまいますが、できたらネットよりは専門家の我々の意見を採用していただき、処方したように飲んでいただきたいなあ、と思う訳です。
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