ダイエットは減量期と維持期の2つで1つ
前章では、今までのダイエットでは、人それぞれ違う「正確なカロリー目標」がわからないから、やせるのはとても難しいということをお伝えしました。また、仮にやせたとしても、人はすぐにリバウンドしてしまうので、やせたままでいるのが大変だということもお伝えしました。
この章では、その2つの問題を、「減量シミュレーター」というツールを使って、一気に解決したいと思います。私たちが開発した、インターネット上のツール「減量シミュレーター」を使うと、人それぞれの目標設定を求めることができるのです。
ツールを使う前にひとつだけ、ダイエットに成功する人がどのような体重変化になるのかを知ってください。
図4.ダイエットに成功する人の体重変化
成功するダイエットは、図4のように①減量期間では順調に体重が落ち(図の左部分)、②維持期間では減った体重がキープされます(図の右部分)。
体重を落とせても、リバウンドをしては意味がありません。ダイエットをするときには、この2つの期間を意識して、それぞれの期間で適切な行動をする必要があります。
① 体重を落とす「減量期間」
② 落とした体重をそのままキープする「維持期間」
体重を落とす①「減量期間」に重要なのは、いかに自分にあった、無理のない計画をたてるかです。
気合を入れてダイエットに挑戦して、厳しすぎる計画をたてたことはないでしょうか。短いスケジュールで目標体重までやせようと、やみくもに曖昧にカロリーを減らして、気合と根性で乗り切ろうとして力つきてしまうのです。
たとえば、1ヶ月の間に10㎏やせるという目標は、あまり現実的ではありません。食事を減らすだけでこの目標を達成しようとすると、1ヶ月間はほとんど絶食に近いことをしないといけません。
社会人が、仕事をしながらダイエットをするのに無理のない目安は、1ヶ月にせいぜい2、3㎏といったところです。
減量期間は、最短1ヶ月、最長3ヶ月としています。短すぎても現実的ではありませんし、あまり長すぎると中だるみしてしまうので短期決戦でいきましょう。
そして次に大事なのは、②の「維持期間」です。体重を落とした後も、リバウンドしては意味がありません。
ダイエットで節制するべきカロリーは、年齢、性別、体重、目標体重、そして期間などによって変わってきます。
じつは、医学・生理学の分野でもやせるための本当に正しいカロリー計算の仕方がわかったのは2011年のこと。アメリカ国立衛生研究所のケビン・ホール博士らがその計算方法を解明し、研究者たちの間で話題を呼びました。
減量期については、これまでもおおまかな計算はできていましたが、落とした体重をキープする維持期のカロリー計算は非常に難しかったのです。なぜなら、体重の減り方によって、どのぐらい筋肉が落ち、基礎代謝がいくら下がるかが変わってきてしまうからです。
この本では、ホール博士らの研究をもとにして、私たちが日本人向けにアレンジし、正しいダイエット方法を導いてくれる「減量シミュレーター」というものをつくりました。
ダイエットで具体的にやるべきことは、年齢、性別、現在の体重、目標体重、そして期間によって変わってきます。「減量シミュレーター」は、一人ひとり、ぴったりの数字を教えてくれます。
本章を読んだ後に、スマートフォンやPCで次のサイトにアクセスしてみてください。あなたにぴったりの目標数値がこれでわかります。くわしい使い方は、この章の後のコラムを読んでみてください。
このあとは、3人の太っている人の例をもとに、実際に「減量シミュレーター」をどう使うのか、生活にどう役立てればいいのかを見ていきます。
次回「3人の典型的な太っているひとたち」につづく
一人ひとり、やせたままでいるにはどうすればいいかがわかる世界初の減量シミュレーターを、一度お試しください。
減量シミュレーター(PC・スマホからアクセスできます)
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第1章 なぜダイエットはこんなに難しいのか?
第2章 ハーバード式・究極のダイエット理論
第3章 モチベーションゼロで成功率100%のコツを学ぶ
第4章 ダイエットについてのQ&A