企業とは人の集まりです。
どんな人が働いているかによって企業文化は決まり、企業の盛衰は決まります。
だから、企業にとって採用はきわめて重要だと、僕は考えています。「いい人材」を採用することができなければ、どんなに立派な企業理念を掲げていても、どんなに豪華なオフィスを構えていても、どんなに精緻な戦略を練り上げても、いずれその企業は衰退する。それが現実です。
人間と同じです。たとえば、人間は食べ物が大事。どんなに熱心にジムに通ってトレーニングをしても、身体に悪いものを食べていれば健康にはなれませんし、身体の調子が悪いときに薬だけに頼っていても
だから、LINE株式会社はきわめて慎重に採用を進めています。
まず、大量採用はしません。なぜなら、数を求めると質を犠牲にせざるを得ないからです。「お金」や「出世」や「企業ブランド」をモチベーションにする人、すなわち「ユーザーのニーズに応える」こと以外をモチベーションにする人が紛れ込んでしまう。これが、非常に危険です。
何事も量が質を決めます。「間違った目的をもつ人」の割合が高くなると、徐々に企業文化が変わり始めます。「ユーザーのために」とがんばっている社員たちがやりにくい雰囲気が生まれる。なかには、自分の出世のために、結果を出している社員の足を引っ張るような人物も現れる。すると、それを察知した優秀な社員たちは会社を去り始め、気がついたときには「ダメな人」が大勢を占める会社になっている……。
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