上野千鶴子「古市くんはテレビに出てて、開沼さんがあまり出ないのはルックスの違い?」

かつて開沼博さんが学生時代に通っていたゼミの教授で、今も師として尊敬している社会学者の上野千鶴子さん。師弟のような間柄のお二人の対談、第5回です。
「メディア文化人たるもの、活字芸人とテレビ芸人と、ネット芸人の三種のスキルが必要なの?」とベテラン文化人の上野さんが首を傾げると、開沼さんは、「正しいことを言えば、それが通じるわけでもない」といいます。メディアが多様化する現代社会についてお二人はどう考えるのでしょうか。

開沼博(以下、開沼) 僕が福島の復興に関わる仕事をやっているのは、義務感とかそういうのより、正直なところ「楽しい」からです。

上野千鶴子(以下、上野) いいじゃない、楽しくて。

開沼 いや、「楽しい」なんて言うと不謹慎だと怒る人もいますけどもね。

上野 私は楽しんじゃ悪いとは思わない。研究ってそれ自体が楽しいものですから。楽しめばいいし、たくさん本を出版して有名になってお金も儲けたらいいと思うけど。

開沼 そんなに儲からないんですけどね(笑)。

上野 さっきから合いの手みたいに愚痴ってませんか?

開沼 あ、いいえ、でもこうして楽しそうにしていることによって後進の研究者が出てくるのかな、と思いますね。

上野 不謹慎な言い方かもしれないけど、福島の経験は、全く前例のない、人類未曽有の経験なんだから、未知の分野に踏み込むときは、良くも悪くもわくわくするに決まってます。

開沼 そうですね(笑)。

正しいことを言ってもまかり通らないのが当たり前

上野 文体についてはちょっと注文が。こういう真面目なこと書くならもうちょっと、言葉を選んで書いた方が良いと思う。言わなくてもいいことを言うことで、味方になるべき人を敵に回すこともあるからね。

開沼 べらんめえ口調で語る大先輩である上野さんの影響あってのことだと思いますが、ご忠告は守りたいと思います。

上野 そうね、私が言うのもおかしいけど。経験から学んだっていうことよ(笑)。

(会場笑)

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容赦なき師弟対談—上野千鶴子×開沼博

上野千鶴子 /開沼博

かつて開沼博さんが学生時代に通っていたゼミの教授で、今も師として尊敬している社会学者の上野千鶴子さん。師弟のような間柄のお二人が、cakesの人気連載『俗流フクシマ論批判』をもとに書籍化した『はじめての福島学』について語り合いました。

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コメント

kys_nkmr ワロタ。さすが 4年弱前 replyretweetfavorite

wildlinx_ @micky__s ふんばろう西條氏だけでなく、研究者全般にこの価値観 → https://t.co/4ylEUAzgKK が蔓延してしまってる処があるので、厳しくはありますよね。 阪神で事例を残さなかった事は、申し訳なく思います 4年以上前 replyretweetfavorite

chappiekun 伝える方法について。まずはタイトルで笑ってしまった。 4年以上前 replyretweetfavorite

kanakosiraishi 良い記事なのにそこをタイトルにするかっていう。 4年以上前 replyretweetfavorite