海猫沢めろん
人工知能は心を持てるか—— 人工知能の真実 vol.5
小説家である海猫沢めろんさんは、人工知能は小説を書けるのかということについて疑問を持ちます。また、ロボットやAIをテーマにした作品でよく取り上げられる心についても言及していきます。人工知能が心を持つことはあるのでしょうか。そして、人間と人工知能の関係は今後どうなってゆくのでしょうか。
人工知能は小説を書けるか?
—— 僕は小説家なので一番気になっていることがあります。星新一の小説データを読み込ませて、物語を作成するAIを作るプロジェクトがありますよね(公立はこだて未来大学の松原仁教授の「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」)。あの研究って実現可能性はあるんでしょうか?
松尾 いや、難しいですよね。
—— 難しいですか。
松尾 難しいです。先ほど見せたスライドでいうと、5(言語とのひもづけ)や6(蓄積した言語知識の計算機による獲得)の段階にいかないと無理ですよね。
—— 問題は、長さなんですか? たとえばTwitterの140文字くらいだったらバレないような文章が作れるとか、そういうことではないんですか?
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この連載について
海猫沢めろん
漫画家・藤子不二雄氏はかつて、SFを「すこし・ふしぎ」の略だと言いました。そして現在。臨機応変に受け答えするSiri、人間と互角以上の勝負を展開する将棋ソフト、歌うバーチャルアイドル初音ミク、若い女性にしか見えないヒューマノイド……世...もっと読む
著者プロフィール
1975年生まれ。文筆家。さまざまな職業を体験した蓄積を生かし、小説やエッセイなどの分野で活躍中。著書に、『左巻キ式ラストリゾート』(星海社文庫)、『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』(講談社)、『夏の方舟』(角川書店)、『キッズファイヤー・ドットコム』(講談社)などがある。アナログゲームメーカー「RAMCLEAR」代表。