人間は生存のためだけに生きている— 人工知能の真実 vol.4

人工知能を研究することで人間のことがより見えてくるのではないかと海猫沢めろん先生は考えます。それでは、人工知能研究の第一人者である松尾先生はどう考えているのでしょうか。話は人間の本能について、そして人工知能は人を脅かすかというところまで発展します。

研究していて思うこと

— 人工知能の研究をされていて、人間の見え方が変わるということはありませんか?

松尾 僕の見え方は、人間として生まれ持った制約の中でしかないので、そんなに変わらないですね。もしかしたら、これから先、もっと人工知能のレベルが上がっていくと、もうちょっと変化があるのかなあとも思いますが。

— では、人間を再発見したことはありますか?「これは人間のやってることだな」とか。ディープラーニングを研究してたら「あれ、人間もこうじゃない?」と逆にわかったところとか。

松尾 そうですね。いろいろありますけど、どのぐらい信憑性があるのか微妙ですね。たとえば、ディープラーニングのネットワークは下から作っていくので、上のほうまでいくと下のほうっていうのはもう変えられない。
 これは人間もそうなんです。たとえばLとRの発音って、小さい頃にしか学習できないようになってますよね。もう一度それを学習しなおすことはすごくコストがかかる。極論を言えば、死んで新しくやりなおした方がいいんですよ(笑)。だから、コンピュータも人工知能も、寿命があったほうが、世界の変化には学習できるということになるのかもしれないなと。

— 面白いですね。究極的には「人間」もプログラミングで定義できると思いますか?

松尾 うーん……人間という言葉の定義にもよりますけど。

— 松尾さんなりに人間を定義することはできますか?

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“すこしふしぎ”な科学ルポ

海猫沢めろん

漫画家・藤子不二雄氏はかつて、SFを「すこし・ふしぎ」の略だと言いました。そして現在。臨機応変に受け答えするSiri、人間と互角以上の勝負を展開する将棋ソフト、歌うバーチャルアイドル初音ミク、若い女性にしか見えないヒューマノイド……世...もっと読む

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コメント

yukihgs ”コンピュータも人工知能も、寿命があったほうが、世界の変化には学習できるということになるのかもしれないなと。” 5年以上前 replyretweetfavorite

uminekozawa 【公開】|[今なら無料!]SFはすでに現実である! 5年以上前 replyretweetfavorite