なぜ今になって急に世間で「人工知能」が話題になりはじめたのか。
それはどうも「ディープラーニング」という技術が現れたことで、人工知能にできることが増えた、というのが大きな要因になっているようです。
ではこのディープラーニングとは、一体なんなのか? グーグルで検索しても、原理や仕組みばかりで、実際に現場でどんな作業が行われているのか? それがまったく見えてきません。そこで、今回は特別に、実際に人工知能が学習している様子を見せてもらうことになりました。
果たしてそれはどんな風景なのでしょうか。
ディープラーニングを体験してみた!その1
ガラス張りの応接間の外にある研究室のパソコンに近づくと、モニタには、パドルでボールを跳ね返してブロックを崩す、懐かしのブロック崩しゲームの画面が表示されています。
松尾 用意した体験用のデモンストレーションは二つ。ゲームをする人工知能と、画像を認識する人工知能です。同じ研究室の中山浩太郎先生に、デモを手伝ってもらいます。
中山 中山です。よろしくお願いします。
—— これがディープラーニングを使ったAIなんですか?
中山 そうです。ディープラーニングを使ったAIの大きな特徴は「機械学習」と「表現学習」というものにあります。
—— どういうものなんでしょう。
中山 これまでのAIは、世界の仕組みやルールや戦略を、人間が教えるというカタチになっていたんです。たとえば、ボールっていうものがあって、そのボールの位置は今ここにありますと、で、その位置の場合には、加速度はこっちに来ているので、こういう計算式で次はこっちに動けっていう情報を、人間のエンジニアとかプログラマが事前に教えていたわけですね。
—— 教える情報が多すぎて、人間もAIもあっという間にパンクしちゃいそうですね……。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。