夢と現実が、想像力を奪い合う
——AR三兄弟は、ファッション、アニメ、おもちゃ、雑誌、テレビ、展覧会など、ジャンルもメディアも本当に幅広い分野で活動していますよね。
川田 数えたら、3年で180個くらい開発してました。そもそも、ひとつの作品に1週間以上かけないんですよ。つくっているものに対して飽きちゃうから(笑)。
——時間がかかっていそうな作品ばかりなのに! なぜそんなに次々とアイデアが出てくるのでしょうか?
川田 夢がアイデアのルーツになってるところはあるかもしれない。僕、名前が「十夢」じゃないですか。そのせいか、小さい頃から変な夢をよくみていたんですよね。起きてからも、夢でみたものが何なのか、ずーっと考えていました。たとえば、耳から長い毛糸が出てくる、とか。
——えっ、毛糸?
川田 みんなの耳から長ーい毛糸が出ていて、すんごく気持ち悪いんですよ。でも、みんなには糸が見えてなくて普通に生活してる。だから自分の糸も放置してたら、それが最終的に頭の上で大きな球体になってて、「こんなにデカいのは恥ずかしい」と思ったところで、目が覚める。
——うわ、たしかに変な夢ですね。ちょっと精神状態が気になるかも……。
川田 なんか話がカウンセリングみたいになってきたけど、大丈夫ですか(笑)。いまは逆に、夢のなかで税金を納めたりしていますけどね。現実でビーム出すなど、夢みたいなことをしているからかな。夢と現実が想像力を奪い合っている感じです。
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