あなたなら、逞しい受けを抱けますか?
BL超訳とは? その謎に迫る、第二弾。
▲えすとえむキャラクタースケッチより
「自慢のイチモツが……」をさて、どう直すかな。
—— 海外のM/Mは、たとえほっそりした少年が主人公でも、表紙は全部マッチョな男性の写真だったりする……。たとえばラブシック創刊号の『ルームメイト』も、もやしっ子が主人公なのに、洋書の表紙では……
▲お腹が6パックに割れてしまいます~。 ▲日本版は中村明日美子さんの美麗表紙に。
英田 (笑)。日本人はマッチョが好きじゃないですよね。
—— 基本、細みですよね。
英田 向こうの人って、華奢な美少年にあまり興味がないんでしょうね。成熟してない雄はお呼びでない、みたいな。欧米の女性は男の人を見るときに、よくセクシーかどうかで見るじゃないですか。可愛いじゃなくて、いかにセクシーかという観点で。
超訳にあたって、どこまでBLに寄せていくのか、そのあたりが難しかったです。受けに「逞しい肉体」と書いてあったりして、どこまで逞しくしていいのかしら、と(笑)。
読者さんが嫌がるのもあるからムキムキにはできないけど、軍人なので華奢な青年にしちゃうと男らしさが出ないし、とか。その匙かげんが難しかったです。
あとは、攻めに生えているヒゲをどうしようかと悩みましたね。原著ではどうも八の字の立派なヒゲっぽかったのですが、それはどうしてもイヤで(笑)。口髭くらいならあってもいいかなと思い、残してみました。
↑髭、残りました。
イラスト担当のえすとえむさんが描くと、髭すらとても麗しくて(♡o♡)。
それに、小児性愛を嫌がるという傾向もありますよね。美少年といってもある程度は年齢がいっている。本当に十代なのはダメという。
—— 元来、日本の衆道(男色)は少年愛でしたからね。
英田 そういう文化的背景の違いもあるのか、あるいは、これからM/MがBL化して似通ってくるか、それはまだ分からないですね。
—— さらにM/Mは、肉体に惹かれて恋が始まるという、いかにも男らしいパターンが多いようにも見受けられますが……。
英田 「目が合ったときに燃え上がった」とか、「筋肉のラインに生唾を呑む」とか、結構ドライですよね。「え! その瞬間!?」みたいな。
日本には、肉欲からときめく、という関係をよしとしない文化がありますから。そういうのは「不純よ!」となり(笑)、そこを隠そうとしますよね。
でも、海外だとセクシーだから相手に惹かれるのはごく普通のことで、恥ずかしいことでもなんでもない。