セーラームーンは圧倒的な母性を秘めている?【第11回】

90年代に大人気だったアニメ『美少女戦士セーラームーン』。今回はセーラームーンが持つ「圧倒的な母性」について迫ります。シリーズ内の随所、とくにクライマックスでは、セーラームーンの母性が前面に出た演出がよく見られます。これは、セーラーチームやそれぞれのキャラにどのような影響を与えているのでしょうか。(初回はこちら

母性であらゆることを解決する

セーラームーンの圧倒的母性は、その物語内で生じる困難に対して、具体的な解決手段として作用する。

たとえば、セーラームーンの必殺技のなかには「浄化系」の技が多く含まれている。倒された敵の叫び声が「リフレッシュ!(refresh/元気を回復する)」「クレンジング!(cleansing/浄化)」だったりするのは、その証拠。厳父からの鉄槌ではなく、慈愛に満ちた母からの優しい諭しというわけだ。そのため、これらの必殺技が現場管理職チームをはじめとしたパーソナリティが存在する敵の「改心」に使われることも、しばしばである。

シリーズを通じた最終話である第200話「うさぎの愛! 月光銀河を照らす」でうさぎは、「私、この世界が好き。みんなのいるこの世界が大好き」といったマザー・テレサのような超絶博愛主義を唱え、銀河系最強のセーラー戦士であるギャラクシアを、ほとんど脱洗脳のような形で浄化する。その際のギャラクシアの言葉は「ありがとう、セーラームーン」。最終回のうさぎは多くのシーンで全裸であるが、その姿は女性的というより、まぶしい神々しさが漂っている。

病んだ心も、傷ついた体もすべて包み込み治してしまう力

うさぎの母性が究極的な“治癒”を施した代表例としては他に、土萠ほたる(セーラーサターン)の救済が挙げられよう。第125話「輝く流星! サターンそして救世主」においてうさぎは、憑依人格に支配されていた土萠ほたるを、精神的にも肉体的にも解放する。圧倒的な母性の力は、精神疾患すら治癒する(というアナロジーだ)。

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セーラームーン世代」を語り尽くす!

稲田豊史

90年代に大人気だった『美少女戦士セーラームーン』。その人気は20年経った今も衰えることを知らず、新アニメの放送や関連グッズの発売も話題になっています。当時リアルタイムでセーラームーンを視聴していた少女たちは、今やアラサー世代。知らず...もっと読む

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Yutaka_Kasuga 本日アップ。ちょいちょいドラえもんを差し込んでくるのは筆者の趣味→ 約5年前 replyretweetfavorite