幻のサルを追って

ある日、寄せ場から姿を消したボスザルのベンツ。捜索の甲斐もあって17日ぶりに発見され、元の群れに戻されたのですが、サルの世界ではめったにない「ある異変」が起きたのだそうです。それはいったい何だったのでしょうか? 大分市高崎山の山中に生息した幻のニホンザルの一生を追った、異色のノンフィクション『消えた伝説のサル ベンツ』の序章を、cakesで特別に公開していきます。

 過去に行われた捜索で実際に発見された例はほとんどない。彼を発見できたことはそれ自体、関係者には思いがけないことだったし、寄せ場の柵に上がるのも難儀していたほどの老猿が、七キロもの長距離を移動していたこともにわかには信じられないことだった(寄せ場から発見現場まで直線距離で七キロだが、実際の移動距離は十キロ以上のはず)。彼の年齢は推定で三十五歳、ヒトの年齢に換算すれば百歳以上の超高齢者だったのだ。

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消えた伝説のサル ベンツ

緑慎也

誰よりも強く、気高く、雄々しい。巨大な群れを統率した「最後のボス」の生涯とは? 大分市高崎山の山中に生息した幻のニホンザル「ベンツ」の一生を追った異色のノンフィクション。

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