上重聡アナは家まで電車で帰るべきなのか

今回のテーマは、体育会系のテンポ良い口調が支持されている日本テレビ・上重聡アナウンサー。先日、スポンサー企業の創業者から1億7千万円を無利息で借りていたことが発覚し、非難が殺到している上重アナですが、その叩かれっぷりは本当に事件のせいだけなのでしょうか? 男性アナウンサーの微妙な立ち位置について、武田砂鉄さんが切り込みます。

「舘ひろし以上」という基準

芸能人が「実は電車にも乗るんです」「普通にコンビニとか行きますよ」という発言を重ねる度に充満する、ほのかな苛立ち。その手の「実は」「普通に」を意外性として使える国内基準は「舘ひろし以上」であると個人的に規定しているのだが、その基準をシェアするプロセスをもう何年も見つけ出せずにいる。「家ではバスローブ」が議論の取っ掛かりに用意できそうだとは思ったものの、いまいち汎用性がなく、その先に進めない。

特別な人が「私、そんなに特別ではないんですよ」と報告してくるのは、特別感を高めるためでもある。同じ論法で、「アナウンサーとはいっても、普通のサラリーマンと変わりませんから」という発言も頻繁に聞く。この報告は積もりに積もっておそらく東京ドーム3杯分ほどにはなっているはずだが、この報告を重ねることによって、普通のサラリーマンとは違うと重ねて明らかにしているようにも思える。なぜなら普通のサラリーマンは、「普通のサラリーマンと変わらない」とは言わないからだ。

「『カネシゲ』と皮肉る声噴出」

アナウンサーは好かれやすいし、嫌われやすい。なぜか。「実は電車で通勤している」から好かれるし、「実は電車で通勤している」とか言うから嫌われるのだ。同じ発言なのに帰結が180度違う。好かれる事と嫌われる事が表裏一体で存在している。親しみやすさのバロメーターが、ある瞬間に裏返しになってしまうリスクを持っている。

スポンサー企業の創業者から1億7000万円を無利息で融資され、高級タワーマンションに住み、高級外車を無償貸与されていた日本テレビ・上重聡アナ。PL学園のエースとして松坂大輔と接戦を繰り広げた爽やかスポーツマンに対する見方はたちまち手厳しいものになり、東スポが「上重アナ 日テレ内で『カネシゲ』と皮肉る声噴出」と、恐らく具体的な噴出を確認せずに打った記事にも、世間がおおよそ頷く土壌が瞬時に出来上がってしまった。

「いやいや実は」「いやいや普通に」は効かない
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武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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Kezia09990088 "安住紳一郎は上重の一件が発覚した後8年間500円玉貯金をして230万円を貯めた事をラジオ番組で明らかにした"> 3年弱前 replyretweetfavorite

abm "安住紳一郎は上重の一件が発覚した後8年間500円玉貯金をして230万円を貯めた事をラジオ番組で明らかにした"> 3年弱前 replyretweetfavorite

sgokuu 武田さんキレッキレw→「安住アナは「普通」の使い方を体得している。親しみやすさを豪快に操縦できる稀有なアナウンサーだ」 3年弱前 replyretweetfavorite

loveradiotokyo 安住さんの500円玉貯金は上重さんのカウンターだったとはw/ #nichiten 3年弱前 replyretweetfavorite