山内宏泰
日用品でインスタレーション? ジム・ランビー「Sun Rise Sun Ra Sun Set」
身近な日用品を用い、色鮮やかなインスタレーション作品を生み出すことで知られるジム・ランビーの個展「Sun Rise Sun Ra Sun Set」が南青山のラットホールギャラリーではじまっております。現代アート作家として世界的に高い評価を受けているだけでなく、ミュージシャンやDJとしても活動するランビーの作品には、音楽やポップカルチャーの要素もしばしば見られるのだとか。「色」と「かたち」から感じとれるメロディを、この機会に体感してみてはいかがでしょうか。
アートの話題のなかでは、しばしば「インスタレーション」という言葉を耳にしますね。これ、日本語にそのまま写すのがなかなか難しい単語です。いろいろな素材をある空間に配して、その空間全体をひとつの作品と見なす表現方法、とでも申しましょうか。
ただし観る側からしてみれば、インスタレーション作品と接するのは、そんな難しいことではありませんね。作者が空間全体を使って醸し出そうとした「色合い」や「空気」に、心地よく浸れればいいのですから。むしろ、知識や関心の濃淡とは関係なく、だれでも手軽にその場を楽しむことができる、ひじょうに民主的で親しみやすい表現といえるでしょう。
インスタレーションのおもしろさを、最良といっていいかたちで味わえる展示が始まっています。東京の地下鉄表参道駅にほど近い、ラットホールギャラリー。こちらで開催の、ジム・ランビーによる個展「Sun Rise Sun Ra Sun Set」。
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この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
公式サイト:http://yamauchihiroyasu.jp/