第25回】東の王子、阿久津主税

プロ棋士と互角以上の戦いを繰り広げるまでに進化した将棋ソフト。不可能を可能にしてきた開発者たちの発想と苦悩、そして迎え撃つプロ棋士の矜持と戦略。天才たちの素顔と、互いのプライドを賭けた戦いの軌跡。今日までのコンピュータ将棋に関する最前線を追った『ドキュメント コンピュータ将棋』が3月25日発売。本連載では、本書から特に電王戦FINAL出場者たちの素顔や想いの部分を抜粋して紹介していきます。

 過去2回の団体戦で大将を務めたのは、三浦弘行(第2回電王戦時八段、現九段)、屋敷伸之(九段)というA級棋士の2人だった。強くて、若い。そしてA級棋士、という条件が揃って、阿久津主税が大将に据えられたのは必然的とも言える。

 阿久津は1982年6月生まれ。天才少年・羽生善治を輩出した道場としても知られる八王子将棋クラブで腕を磨いて、小学6年のときに滝誠一郎(現八段)門下で奨励会入会。同期には渡辺明、橋本崇載、佐藤慎一らがいる。
 1999年、17歳のときに四段に昇段。将来を嘱望される大器であり、またハンサムな顔立ちから、「東の王子」と言われた。
 2007年に朝日オープン書意義選手権挑戦者決定戦で優勝し、羽生善治選手権者への挑戦権を獲得。五番勝負では羽生に敗れたが、1勝をあげた。
 2008年には朝日杯、09年には銀河戦と、全棋士参加のトーナメント戦で優勝を飾った。
 2014年には順位戦でA級昇級。将棋界のトップ10にランクインした。今期は残念ながら陥落が決まってしまった。ただし、調子が悪いわけではないと思っている。

 人間はコンピュータと違って、メンタルに左右される。棋士の中では比較的、出来不出来があるほうだと思っている。それでも勝率は高い。阿久津の才能からすれば、A級八段という地位は不思議でも何でもない。いずれは再びA級に戻ってくるだろう。

結果を求められる勝負


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ドキュメント コンピュータ将棋

松本博文

プロ棋士と互角以上の戦いを繰り広げるまでに進化した将棋ソフト。不可能を可能にしてきた開発者たちの発想と苦悩、そして迎え撃つプロ棋士の矜持と戦略。天才たちの素顔と、互いのプライドを賭けた戦いの軌跡。今日までのコンピュータ将棋に関する最前...もっと読む

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k_sanpei 前回に引き続きcakesにて似顔絵掲載していただきました! 5年以上前 replyretweetfavorite