過去2回の団体戦で大将を務めたのは、三浦弘行(第2回電王戦時八段、現九段)、屋敷伸之(九段)というA級棋士の2人だった。強くて、若い。そしてA級棋士、という条件が揃って、阿久津主税が大将に据えられたのは必然的とも言える。
阿久津は1982年6月生まれ。天才少年・羽生善治を輩出した道場としても知られる八王子将棋クラブで腕を磨いて、小学6年のときに滝誠一郎(現八段)門下で奨励会入会。同期には渡辺明、橋本崇載、佐藤慎一らがいる。
1999年、17歳のときに四段に昇段。将来を嘱望される大器であり、またハンサムな顔立ちから、「東の王子」と言われた。
2007年に朝日オープン書意義選手権挑戦者決定戦で優勝し、羽生善治選手権者への挑戦権を獲得。五番勝負では羽生に敗れたが、1勝をあげた。
2008年には朝日杯、09年には銀河戦と、全棋士参加のトーナメント戦で優勝を飾った。
2014年には順位戦でA級昇級。将棋界のトップ10にランクインした。今期は残念ながら陥落が決まってしまった。ただし、調子が悪いわけではないと思っている。
人間はコンピュータと違って、メンタルに左右される。棋士の中では比較的、出来不出来があるほうだと思っている。それでも勝率は高い。阿久津の才能からすれば、A級八段という地位は不思議でも何でもない。いずれは再びA級に戻ってくるだろう。
結果を求められる勝負
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