ヒロミの毒舌に慣れようとしない私たち

マツコ・デラックス、有吉弘行、坂上忍を筆頭に、テレビ界で重宝されている毒舌キャラ。その波にのってか、元祖毒舌王・ヒロミがテレビ界に戻ってきました。2014年の再ブレイク以後、いまも多くの番組に出演しているヒロミですが、その毒舌には、マツコや有吉とは決定的に異なる点があると武田砂鉄さんは分析します。

土曜日の部活にやってくるOBが嫌いだった

弱小バレー部のキャプテンを務めていた高校時代、とにかく土曜日の部活が憂鬱だった。社会人になりたてのOBが、平日の憂さを晴らすかのように体育館に駆けつけるからだ。自分がキャプテンになってから取り組んだ施策は2つ。もちろん技術の向上ではない。

1:下級生だけでバレーネットを設営するのではなく、学年問わず体育館に来た順にやること
2:下級生が上級生の前を通る時に、中腰になって素早く通る風習を止めること

今でも間違った施策だとは思っていないが、この2つの改正は、厳しい上下関係を耐え抜いた経験を過大評価して社会人生活に突入したOBから、ことごとく嫌われた。代々受け継がれてきた伝統をぞんざいにしたと判断されたからか、時折開かれているらしいOB会に自分達の代だけが呼ばれないという状態が、2015年春現在も続いている。

「あいつら、ぜってー、会社で上司にイジめられてんだよ」

土曜日の部活にやって来るOBには2種類いた。そのうちに乱暴でなくなる人と、いつまでも乱暴な人だ。やって来たOBは押し並べて、絶対に取れない強いスパイクを打ってきて、「取れよ!」と怒鳴る。前者は、徐々に弱小バレー部のレベルを察知して、たまにはラリーが続く程度の強さでスパイクを打つようになる。後者は違う。「取れよ!」「取れんだろ!」「どうして取れねぇんだよ!」と、自分たちの時代のレベルを基準にひたすら打ち続けてくる。そんな土曜日は、OBの無茶に翻弄されるだけで終わってしまう。帰り道、駄菓子屋で片手に「酢だこさん太郎」、片手に「蒲焼きさん太郎」を持ちながら、「あいつら、ぜってー、会社で上司にイジめられてんだよ」と愚痴り合った。

坂上忍とヒロミの違い
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

cakesの人気連載「ワダアキ考」、5人の書き下ろしを加えてついに書籍化!!

この連載について

初回を読む
ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

m_take1 武田砂鉄はさすがだ。 https://t.co/H9lO5EGJrd同じ毒舌系でも決定的差…坂上忍にあって 約2年前 replyretweetfavorite

gayllytanaka |ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜|武田砂鉄 @takedasatetsu https://t.co/nsvfbNdzUq ↑この記事、有料登録しないと最後まで読めないそうですが、結局のところオチは「ヒロミはつまらん」でオーケー? 約2年前 replyretweetfavorite

tsukimi_ary ワダアキ考〜テレビの中のわだかまり〜/武田砂鉄 https://t.co/5YZtXtFzB6 有吉マツコは相手を活かそうとするが坂上ヒロミは相手を遮断する、更に坂上はそれでも番組内容に馴染ませようと努力するがヒロミはそうでない、といった分析 約2年前 replyretweetfavorite