読書で賢く生きる。

すべての労働者はノンフィクションを読め—vol.8

最近ノンフィクションに目覚めたという中川淳一郎さん。膨大な労力をかけて作られるノンフィクションを読んでいると、そこに浮かび上がるのは粗製濫造されるビジネス書のコントラストだそう。中川さん、漆原直行さん、山本一郎さんによる鼎談のラストでは、それぞれが賢く本を読む方法を伝授します。「ビジネス書ぶった斬り」3人組が〝読書を武器に生き残る知恵〟を伝授する著書『読書で賢く生きる。』より、「出版によせての鼎談」を公開していきます。

中川淳一郎、ノンフィクションに目覚める

中川淳一郎(以下、中川) ちょっとレベルの低い話だけど、俺最近、突然ノンフィクションに目覚めちゃったんですよ。それがちょっと自慢なの。

漆原直行(以下、漆原) 読者として?

中川 基本的には読者として。ただその一方で、仕事人として読まなければならないという意識もある。ふたりはよく知ってると思うけど、俺、インターネットのニュースサイトというとにかく粗製濫造すればいいという雰囲気のところに足を踏み入れてしまっている。だけどノンフィクションはまったく逆でしょ? いつ世に出るか、ヘタすると世に出るかわからないもののために、時には自腹で取材に行って事実関係を洗っていく。自分の仕事の対極にあるものを知っておかないといけないという気持ちもあってね。

山本一郎(以下、山本) 例えばどんなノンフィクションを読んでるの?

中川 きっかけは増田俊也さんの『VTJ前夜の中井祐樹』に感動したことだったんですよ。徹底的に調べて、風呂も入らないでただひたすら丹念に事実を拾う。いまノンフィクションのそういう姿勢を学ぼうとしてるの。同じく増田さんの『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』も読んだし、違う系統だと毎日新聞の須田桃子記者が書いた『捏造の科学者』も読んだ。

VTJ前夜の中井祐樹
VTJ前夜の中井祐樹

漆原 あ、STAP細胞事件の検証本か。

山本 ノンフィクションでマジメにやってるジャーナリストの本はおもしろい。STAP関連で言うとサイエンスライターの片瀬久美子の『もうダマされないための「科学」講義』とか。科学だけじゃなく、時事、経済……何を読んで自分の暮らしにどう役立てるのか。本を選ぶとき、常に念頭に置いておこうと自分でも意識しています。

もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)
もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
読書で賢く生きる。

中川淳一郎 /漆原直行 /山本一郎

先が見えず、目標も持ちづらく、人生に迷っている人が多い今日このごろ。書店にも、そうした不安を見通したかのような自己啓発書やビジネス書が多く並んでいます。しかし、あまりにもトレンドが変わりやすく、多くの本が出版されているこのご時世に、本...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

s_1wk 「浜矩子なんて年鑑かのように「2015年」「2014年」と西暦つきで「日本経済終末本」出してるじゃん。ボージョレーヌーボーかよ。」 2年以上前 replyretweetfavorite

kirik よ、読まれているでやんすか 2年以上前 replyretweetfavorite

kirik ありがとうございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。 2年以上前 replyretweetfavorite

temp_law 本を購入させて頂きました。815円+税でこの内容は安いと思います。 2年以上前 replyretweetfavorite