國分功一郎×山崎亮 刊行記念対談(後編):過去の思想が活きてくる

時代が危機的状況に面しているときこそ、大きな社会的枠組を語るべきだ――ヨーロッパの近代初期、そして19世紀イギリス。その時代の思想が教えてくれる、今日の社会的基盤へのヒントとは? 哲学者の國分功一郎さんとコミュニティ・デザイナーの山崎亮さんによる『近代政治哲学――自然・主権・行政』刊行記念の対談後編は、自分たちは政治とどう関われるのか、いまの民主主義の抱える原理的な問題はどこから発生しているのか。現代の問題意識へと、話題が進む。

『近代政治哲学—自然・主権・行政』(國分功一郎著)の刊行記念対談後半、思想家たちから学べることとは。

國分功一郎(以下、國分) 今、この社会の諸原則が根本的に揺らぎつつあるような気がするんです。たとえば法律にかんして言うと、立憲主義がこれほど盛んに論じられるというのは本当に危機的な状況で、もしかすると、法治国家そのものが危機に瀕しているのかもしれない。だから、これらの仕組みがつくられた時代に遡り、より広い視野からつくり直していかねばならない時期に来ているのではないかと。僕はこの本で、実際にそういう社会の諸原則をつくったジャン・ボダン(注3)、ホッブズ(注4)、ロック(注5)などといった哲学者を出発点として論じました。

注3:ジャン・ボダン(Jean Bodin,1530年 - 1596年)。フランス・アンジェ生まれ。宗教戦争の時代にあって、対立を調整するための政治実務に携わり、主著『国家六論』によって主権論の始祖と呼ばれることになる。
注4:ホッブズ(Thomas Hobbes,1588年 - 1679年)。イングランド、マルムズベリ生まれ。絶対主権論が議会派の攻撃をうけたため、フランスに亡命。イングランドに帰国後も、著作群は国内では発禁扱いとなっていたが、大陸ではスピノザらに影響を与えた。注5:ロック(John Locke,1632年 - 1704年)。イングランド、リントンに生まれる。オクスフォード大学で教鞭を取ったのち、貴族秘書として政治に関わったが、オランダへ亡命。1688年の名誉革命を機に帰国して、その後主著が刊行される。

山崎(以下、山崎) 彼らについて語りつつ、現代の話に近づけていくと。

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國分功一郎×山崎亮 刊行記念対談:國分功一郎『近代政治哲学—自然・主権・行政』

山崎 亮 /國分功一郎

僕らの社会主義 刊行記念対談『近代政治哲学ーー自然・主権・行政』

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コメント

su_3 なかなか面白そう  4年弱前 replyretweetfavorite

tamatama2 https://t.co/ZklVJOhJBH http://t.co/KfmMO8h0VJ 4年弱前 replyretweetfavorite

tamatama2 https://t.co/ZklVJOhJBH http://t.co/KfmMO8h0VJ 4年弱前 replyretweetfavorite