73歳の大学生

現在73歳の萩本欽一さんですが、なんとこの春から駒澤大学仏教学部に入学することになりました。昨年の4月に大学受験を決意し、受験勉強を始めたという欽ちゃん。いったいなぜ今、大学で勉強することを選んだのでしょうか? そしてその勉強法とは? 4月7日発売の新刊『ばんざい、またね。』より、その内容をcakesでも先行公開です。


撮影:興村憲彦

忘れていくなら、覚えればいい

 夢がまたひとつ、叶いました。二〇一五年四月からぼくは大学生になりました。駒澤大学仏教学部に社会人特別入試枠で合格したの。これから十代の同級生と机を並べて勉強すると思うと、何か不思議な感じがします。

 大学を受験しようと決めたのは去年四月。三月で大きな舞台から引退したので、そこでぽっかりあいた時間に今度は何をしようかな、と考えたのがきっかけ。たいていみんな、年をとるたびにどんどん肩から荷物を降ろして、自分にご褒美をあげているでしょ。肩の荷を降ろすのも、ご褒美をあげるのも素敵なことだけど、ぼくはみんなと同じことはしたくない。だから肩の荷も降ろさず、ご褒美もあげないのがいいんじゃないかな、と思ったんです。舞台という荷をひとつ肩から降ろしたから、同じだけの重さの、何か別の新しいものを背負いたいな、という気持ちになった。

 それでまず、年をとって自分が一番大変だと感じてるのは何かを考えました。今、ぼくが直面している難題は、いろんなことをどんどん忘れていくこと。だったらそれに挑戦しようと思いついた。忘れるっていうのは引き算だから、その分、何か新しいことを足し算していけばいいんじゃないの? だったら勉強するのが一番だよって。ただ、目標がないと突っ走れないし、途中で手を抜いてしまう。それで最終目標を“大学受験”にしたんです。ちゃんと新しいことを覚えたのか覚えられなかったのか、客観的に判断してもらえるのもいいな、と思って。ちゃんと覚えられたら最後に“よくできました!”ならぬ“よく覚えました!”っていう判子を押してもらえたら、それも嬉しいしね。

 その時に、亡くなった母親のことも少し頭をよぎりました。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
ばんざい、またね。

萩本欽一

2014年、73歳で大きな舞台を引退した萩本欽一氏。お茶の間の欽ちゃんが今だからこそ明かす、引退、敬愛する舞台、生と死、そして大学入学という新しい挑戦についてが、一冊の本になりました。ユーモラスでありながら含蓄ある国民的コメディアンに...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

susie113 欽ちゃんの勉強法が凄い⇒  5年以上前 replyretweetfavorite

moe_sugano 欽ちゃんのお人柄に今さらながら感銘を受けます→ 5年以上前 replyretweetfavorite