大事なことを教えてくれる! 村上春樹「モノ」図鑑

ケトルVol.08は、「村上春樹」特集! 春樹世界に登場する「モノ」って、描写が丁寧で、なんだか素敵に見えません?  しかも、時々ちょっと、学びもくれちゃうんです。そんなありがたい「モノ」を 12 個厳選!

まったく“無駄なこと”、はないのかも

[ ピンボール ]

『ピンボール』の「僕」は、“フリッパーのスペースシップ”というピンボールに夢中になります。大学にも行かずゲームセンターに通いつめ、アルバイト代の半分をつぎ込むも、ゲームセンターは閉店。いつかはやめなければいけないと頭で分かっていても、どこかでピンボ―ルの呼ぶ声がする、と言います。

そこで彼はスペースシップを探しまわるようになるわけですが、3年後、マニアの倉庫で見事再会。ここで、擬人化したピン ボール(多分、美女)と対話し、最後の別れを告げます。作中に登場するピンボール研究書、『ボーナス・ライト』の序文には「あなたがピンボール・ マシーンから得るものは殆ど何もない。(中略)逆に失うものは多く、歴代大統領の銅像が建てられるくらいの銅貨と、取り返すことのできぬ貴重な時間だ」と書かれてあります。

リプレイを繰り返すだ けのゲームは結局何も生み出 さないという身も蓋もないお話。ですが、物質的には何も残さなくとも、何かに夢中になった日々は記憶として残るはず。ちなみにこの本は、架空の本なんですけど、ね。

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村上春樹が大好き!

ケトル

「無駄に価値がある!」がコンセプトの、雑誌『ケトル』。その毎号の特集をcakesで配信していきます。第8弾のテーマは「村上春樹が大好き!」。村上春樹作品の主人公は優柔不断だって言われることがあるけれど、寄り道して、いろんなモノを受け入...もっと読む

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