イラスト:さんぺい(@k_sanpei)
村山慈明(やすあき)は東京都日野市出身。関係者やファンからは音読みで、「じめい」と呼ばれることが多い。
1984年生まれで、同学年には親友の渡辺明二冠がいる。小学生名人戦では、渡辺は94年、小学4年生のときに優勝。村山は翌95年、小学5年生のときに優勝している。
95年、桜井昇八段の門下として、奨励会に入会。同門には中田宏樹八段、飯島栄治七段、横山泰明六段、藤倉勇樹五段、伊藤真吾五段ら、多くの棋士がいる。
毎日のように将棋連盟に顔を出し、奨励会三段の頃には、既に研究熱心さがよく知られ、実力も注目されていた。2003年、19歳で四段昇段。2007年には新人王戦で優勝した。
序盤戦術の研究にかけては若手ナンバーワンの声も高く、「序盤は村山に聞け」とも言われる。これは同姓の名棋士である村山聖が周囲から終盤力を讃えられて、「終盤は村山に聞け」と言われたことにもちなんでいる。
村山の序中盤の見解に対する信頼はずば抜けていて、一流棋士からもよく意見を求められる。羽生善治の研究パートナーであることでも知られる。
順位戦でも昇級を重ね、2014年にはB級1組に昇級した。その際の記事に、村山はこう記している。
<(B級2組のある対局の終盤戦では)お互いに錯覚していたのである。これはとある「先生」の赤ペンチェックで気づいた。先入観の怖さと「先生」の終盤の正確さに驚かされた。>(『将棋世界』2014年5月号)
その当時、村山に対して「おめでとうございます」と言った後で「先生とは誰ですか」と尋ねてみた。村山は笑って、
「激指先生です」
と教えてくれた。村山はコンピュータ将棋の強豪ソフト、激指を重要な研究ツールとして取り入れていた。
志願の出場
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村山に対するインタビューは、1月の中旬にお願いした。村山に届いた年賀状にはほぼすべて、電王戦出場に対する応援メッセージが書かれていたという。村山に寄せられる期待は大きい。
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